せんだい探偵小説お茶会

Sendai Reading-Party of Mystery

月別: 2015年5月

19th event

第19回 せんだい探偵小説お茶会主催

(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)

ドン・ウィンズロウ『ストリート・キッズ』(創元推理文庫)読書会

せんだい探偵小説お茶会では、6月14日(日)に第19回読書会を開催します。今回の課題本はドン・ウィンズロウの「ストリート・キッズ」です。

今回は翻訳ミステリーが課題本となります。

参加条件などは全くございませんので、少しでも興味がございましたら、気軽にご参加いただけると嬉しいです。

ストリート・キッズ

 

ドン・ウィンズロウが生んだ名探偵ニール・ケアリー5部作の1作目、「ストリート・キッズ」を課題図書に選びました。

ドン・ウィンズロウって誰?
名探偵ニール・ケアリーなんて聞いたことない。名探偵といったらシャーロック・ホームズでしょ!という人にこそ読んでもらいたい。

物語は8月に民主党全国大会を控えた5月に始まる。
民主党全国大会で副大統領候補に押されるはずの上院議員の行方不明の娘を探してきてほしいとの依頼があり、さまざまな思惑が絡まる中、ニール・ケアリーはその依頼を受けることになる。

減らず口の陰にナイーブな心を隠した少年、ニール・ケアリー。そんな彼に探偵としての技術を仕込んだグレアム。他にも魅力的なキャラクターが登場する本作。
横文字の名前が苦手?大丈夫!本作は一人ひとりのキャラクターが魅力的に描かれているので、すっと頭に入ってきます。
更には、東江一紀氏の訳がまた素晴らしい!読みやすい!

是非この機会にドン・ウィンズロウ「ストリート・キッズ」を手にとってお読みください。
そして、あわよくば、読書会にも参加頂ければ幸いです。

1作目を読んだ人は是非、2作目以降も。

※有名な「決まり金玉」の訳は本作ではなく、2作目の「仏陀の鏡への道」で登場しますので、あしからず。

■日程:2015年6月14日 15時30分~17時30分(途中退室可)

■会場:戦災復興記念館 4階第5会議室
(仙台市青葉区大町2丁目12-1)

■参加費:一般 500円、学生 無料(会場費、諸経費等)

■持物:ドン・ウィンズロウ「ストリート・キッズ」(創元推理文庫)

※各自で必要に応じて飲み物をご持参ください。(会場内に飲み物の準備はございません)

■申し込み:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.comまでご連絡いただくか、Twitterにて@sendaimysteryまでリプライまたはDMを送ってください。

※携帯メールは受信できない場合があるようです。主催者側から返信の無い場合は、お手数ですがPCメールで再度ご連絡ください。

これまでの読書会でも、様々な年代・性別の方にご参加いただいております。ぜひ気軽にご参加ください。

また読書会終了後には懇親会を予定しておりますので、お時間のご都合がつく方は、こちらにもぜひご参加頂ければと思います。

18th Report

第18回 せんだい探偵小説お茶会主催

皆川博子『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』

読書会レポート

執筆者:マダム・リー

 定禅寺通の欅並木が日に日に色を深める、仙台が一番美しくなる時期の日曜日の午後。第18回せんだい探偵小説お茶会が開催されました。商業ビルの上階に上り、ぐるりと廊下を進んだ奥の和室に集まった参加者は10名。今回初参加の方はいらっしゃいませんが、初顔合わせはあり。みなさまに持ち寄っていただいたお菓子を並べて(開いて、開いて開いてお菓子本体が登場するネタ仕込みあり、課題書にちなんだもの・課題書とは関係ないものあり)和やかな開始前のひとときです。

課題書は皆川博子氏の『開かせていただき光栄です−DILATED TO MEET YOU−』。第12回の本格ミステリ大賞受賞作です。著者の皆川氏は、誠に多岐に渡り精力的にご執筆なさっておられる方。でも、実は初読!何故か手にしていなかった!という声が多数。課題書でなければ絶対に読むことがなかった、という方もいらして、嬉しくなりました。狙い通りです、ふふふ。なんとなく後回しにしていた、一読歓喜して著者の経歴を見たら年齢に驚愕!との声も。『死の泉』とはまた違って明るく読みやすい、細部まで練って作られている、などの感想も聞かれました。

読んでみていかがでしたか?と伺ってみると、まず名前が覚えられない!との声が複数。翻訳物はそれが理由で敬遠しがちなので、今回は日本の作家さんだからよし、と思って読んでみたらなんとなんと…!と嘆かれた方もいらして、いやほんとすみませんでした。かく言うホストも、実は本書は過去一度挫折。いきなり通称で骨皮(スキニー)・アル、とか言われてもうなんか苦手かも、と思ったから。容姿端麗とか天才画家とか、あんまりよく知らないけど『ポーの一族』っぽいイメージでした。

その『ポーの一族』を連想された方、他にもいらっしゃいました。うまく入り込めなかったけれど、そのイメージを借りてのめり込めた。あるいはそのイメージでますます苦手な感じになり苦労した、男同士の距離感がおかしい=近すぎる、などなど。バートンズのパートはなんだか今ひとつだったけれど、詩人志望のネイサン少年が登場してから共感して読み進められるようになったとのお話しもありました。

さて、舞台は18世紀末のロンドン。猥雑さと熱気が入り交じるその時代の街の様子は、ライトな読み味の本書からはあまり感じられないとのご意見が複数。時代考証に散見される齟齬はともかく(しっかりと例示してご説明いただきました。いつも本当にありがとうございます)、箱庭的な描写にとどまっているのは意図的なのか否か。時代ミステリなのだけれど、登場人物の行動や発言は現代的で時代性が感じられない。気になるネタや人物が満載なのだけれど、すっきり読める反面、もうひとつ食い足りない感じがするといった発言がたくさん出てきて、改めて気づくことや考えてみたいことがどんどん増えました。

本書は続編『アルモニカ・ディアボリカ』もハヤカワ・ミステリワールドから刊行されています。どんな続編になっているの?あの人出てくるのかな?気になる展開ですが、もう何を言ってもネタバレになってしまうので、興味のある方はぜひ!というところでお開きに。展開予想が見事にはずれていましたとの発言や、自身が読んでいる本たちがリンクしていくことにも夢中になってしまう、こんな本とも共通する点があるよ、などなど、今回も興味深いお話を沢山伺うことができました。お会いできた皆様と、これからお会いする皆様のミステリ愛に乾杯。また読みたい本が増えたので、せっせと読んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。

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ちなみに、福島読書会の世話人から焚き付けられ、作品にちなんだお土産を、ということで仙台の世話人が用意したのものは『外郎(ういろう)』でした。
作品中で、墓暴きに対して「この、下郎(げろう)が」というような台詞があったと記憶していて、その下郎にかけて、外郎を用意してみました。(ちなみに、そんな台詞が果たしてあったかどうかは確認していません!)
お後がよろしいようで。

さて、月替わりで、国内ミステリーと翻訳ミステリーを交互に課題本に掲げている当読書会。
次回は、ドン・ウィンズロウ『ストリート・キッズ』を6月14日に予定しています。
詳細は近日HPにて公開予定です。

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