せんだい探偵小説お茶会

Sendai Reading-Party of Mystery

21st Report

第21回 せんだい探偵小説お茶会主催

エラリー・クイーン『エジプト十字架の秘密』

読書会レポート

執筆者:仙台のクイーンファン

【第一幕】
せんだい探偵小説お茶会が3年目に入り、ホスト制で進められるようになってから、エラリー・クイーン作品の読書会が年1回の恒例行事となるのではないか、とホストが北叟笑みながら企画した『エジプト十字架の秘密』(角川文庫、訳 越前敏弥・佐藤桂)。
クイーンと仙台は相性が良いのか、前回の〈レーン四部作読書会〉に来仙していただいた翻訳者の越前敏弥先生、そして、せんだい探偵小説お茶会を主催し『人間の顔は食べづらい』で作家デビューされた白井智之先生、と豪華なゲストを2人も迎えて開催されました。

越前先生から来仙の際に観光をとのご要望から、白井先生もご一緒されることになり、「るーぷる仙台(仙台市の観光用レトロスタイルバス)で巡る青葉城址」も開催されました。
仙台在住の参加者の多くが「初めて、るーぷる仙台に乗ります」と呟きながらはじまったときには、あいにくの雨でしたが、青葉城址に着くと雨は止み、ミステリアスな曇天の下を和気藹々と巡りました。大広間跡を歩いた際には、「首実検の間」を見つけ、本日の読書会と関連するのではと、参加者からミステリ愛に満ちた言葉が発せられていました(通りがかった方には不謹慎と思われた方もいるかもしれません……。ホストは、作品との巡り合わせに暗号が隠されている錯覚に陥り、1人興奮していました)。
伊達武将隊の方をチラリチラリと見ながら正宗像の前で集合記念写真を撮影。仙台在住の方々は口々に「こんなところあったかしら?」と初めて来たようなことを語り、読書会の企画に観光を取り入れてくださった越前先生に感謝していました。
青葉城址本丸にある宮城縣護國神社に足を踏み入れると多くの絵馬が視界に飛び込んできました。「嵐のコンサートに行けますように」と書かれた絵馬が多くを占めており、嵐人気の高さに驚きました。

また、るーぷる仙台に乗車し、昼食を得るために仙台駅へ。世話人の御用達のお店で、それぞれがランチに舌鼓を打ち談笑。午後三時を回った後、駅前ビル「AER」展望台で仙台を一望。そして、読書会会場へとそれぞれが向かう形となりました。
ホストは読書会下準備のため、食後皆から離れ、読書会開催20分前に会場入ると、参加者の多くが、水を打ったような静けさの中、資料を黙読。その中に空調のためか、人の寝息のような音が。ホストはアンケートの協力を求めて参加者に用紙を配り着席。会の進め方をあれこれと黙考していると、常連会員にして重鎮のT氏が入室。席について目礼を交わし、視線を外すと「びっくりした!」とのT氏の驚愕。なんと越前先生が座卓の脇で眠っていらっしゃるではありませんか。寝息のような音の正体は、越前先生のまさに寝息だったのです。参加者の方々が水を打ったように静かだった理由がここではっきりしました。お疲れのところ、身体に鞭打って参加してくださった越前先生のクイーン愛に、ホストは感動で目頭が熱くなりました(寝息の正体に気付かなかったくせに、とは言わないでください)。

【第二幕】
※『エジプト十字架の秘密』のネタバレあり。未読の方は絶対ここから下、第二幕の終わりまでは読まないでください。後悔します。

『エジプト十字架の秘密』(以後、『エジプト』で表記)読書会は全14名でスタートしました。
『フランス白粉の秘密』〈レーン四部作〉の読書会では作品にちなんだ「菓子」を提供してきたので、今回も『エジプト』にちなんだものをと考えました。そこで参加された方々に「今回、供される食べ物は?」と出題しましたが、惜しくも正解者はなし。今回の供物は(クイーン読書会で出される食べ物のことを今後は「供物」と称させていただきます)、「キャビア」でした。しかし、今の時期、本物のキャビアは高級百貨店で8,640円と高額で、ホストの財布を逆さにしても購入できる代物ではありませんでした。そこで、キャビアの代用物「ランプフィッシュキャビア」(ちなみに1/15の金額です)を提供。「本物と比べてみて、どうですかね?」などとホストが問うと、13名の参加者の口からは「比較できるほど食べて味を覚えているわけではないから、なんとも言えない」とか「偽物と言わずに出せばわからなかったかも」などの回答が返ってきました。その時は、成程と思っていましたが、今この報告書をまとめていると、代用キャビアであることを言わずに、読書会終盤で今回の『エジプト』のトリックに絡めて「本物と偽物を入れ替えた」と語れたらどんなに盛り上がっただろう、と後悔してなりません。そうすれば、また違った印象で読書会を終えることができたように思えます。

閑話休題。
さて、自己紹介を終えて読書会は本書の内容へと。初読の方は5名、その内で犯人がわかった方は0、その中でヨードチンキの瓶の手掛かりの違和感に気づいたが推理に至らずという方が1名(ここで皆のどよめきが……)であることがわかりました。6割の方も初読の際は犯人がわからなかったようです。再読率の高さから『エジプト』が名作との呼び名が高いことを改めて知る思いがしました。

「感心(感想)、疑問、手掛かりについて」をキーワードに参加者の方々からそれぞれお話をうかがうと、「首なしはインパクトあり」「残忍なのに怖さをあまり感じない」「たたんでいくようなプロット」「エラリーが粋がって、タウ十字架といったのに、ぺしゃんこになるのがかわいい」「初読でしたが、さくさく読めて楽しめた。せっかくだから犯人を当てたいと思い、また最初から読んだ」「ヨードチンキからの推理は脳天に雷を受けたような衝撃」「ヨードチンキの瓶の説明を読んだときには、なるほど、これかと思った」などの好印象や感心を得た感想が多く発せられました。
白井先生からは「あかね書房のジュブナイルを小6で読んで、世の中にこんな面白いものがあるのかと思った。大学時代に何度か読んで感銘を受けた。テンポよく途中途中に推理が入っていることも良い。入れ替わりはベタであると思うが、ヨードチンキの瓶に入る前に最初の事件で入れ替わりを明かしている、メイントリックが提示されている潔さに、素晴らしさを感じました。好きな作品です」とクイーンファンを喜ばせる賛辞をいただきました。

読書会の花といってよい「疑問点」については、「『フランス白粉』では調べていた指紋と血液型を調べないのは、どうしてか?」「斧の指紋は調べているのに、指紋について触れられていない部分が多いのは何故か?」「すり替えがよくバレないな」というご意見が多く出されました。ホストである私も、そこには物語を成立させるための作者の恣意を感じずにはいられません。

そして、ここで皆が絶賛していた手掛かり「ヨードチンキの瓶」、そこからはじまる推理に対して疑問を感じると、T氏からお話がありました。
「初読時には大変感心したが、再読してヨードチンキの瓶からなる推理は粗雑に思えた。それは、ラベルがないから使ったのはその家の者だという考えだけで、他の可能性を考えていない」

ここで会場に激震が走り、ホストの脳内にはドーパミンが勢いよく回りはじめました。
「ヨードチンキの瓶がラベルありと無しのものが見つかる。山小屋暮らしなのに、どうしてそんなにヨードチンキばかり集めたのか。仮住まいの山小屋に薬品棚があること。それらの不自然さから、なにかのためにこしらえられた手掛かりじゃないか。例えば、家の他の者が偽の手掛かりを提示して誤った推理をエラリィに導かせる可能性も考えられる(ホスト注:クイーンの偽の手掛かりは他の作品でも見られます)。人1人を殺人罪で起訴する論証としては不十分じゃないか」というものでした。

T氏の意見に「詰め替え用の大瓶と小瓶ではなかったか」と越前先生が答えました。「山小屋の最初の場面では薬品棚のことは書かれているが、そこにヨードチンキの瓶にたいする何らかの説明がうまく入ればよかったのかもしれない」とホストは思いつつも言わず、疑問はそのまま残る形に。
T氏は、アントニイ・バークリーの名著『毒入りチョコレート事件』からチタウィック氏の「その種の本の中では、与えられたある事実からは単一の推論しか許されないらしく、しかも必ずそれが正しい推論であることになっている場合がしばしばです。作者のひいきの探偵以外は、誰も推論を引き出すことができなくて、しかもその探偵の引き出す推論は(それも残念ながら、探偵が推論を引き出せるようになっているごく少数の作品でのことですが)いつも正解に決まっています」(創元推理文庫版p.272)を用いて推理の厳密性を欠くことを話されました。

T氏が「他にもお話ししたいことはありますが、時間もないから」と終えようとすると、越前先生をはじめ他の会員の方から「もう1つだけでも」と要望が入りました。T氏は要望に応えて「パイプが被害者のものではなく、兄のものであることを周りの者が誰も知らないという前提で犯人が利用したことに疑問を感じる。被害者の書いた覚え書きは、兄が航海からもどったら発見してほしいからしたことだが、確実性がない。それだったら兄が帰ってきたら、犯人がその覚え書きを誰かに送りつけた方がよほど確実性がある。つまり何故このような推理が入るかというと、作者がエラリーの推理の見せ場を作るために行ったということではないか」とお話しされました。ホストも、犯人はパイプがケースから兄のものであることを知り、それを利用したが、利用するための前提条件である「周りの者が兄のパイプであることを知らない」ということを、どうやって知ったのかは疑問に思っていました。そして越前先生もパイプについては同じ意見を持っていました。

越前先生からは「鮮やかで、複雑なトリックを作るために多少の強引なことをしている。それはクイーン作品全体に言えることではないか。真相がわかって再読すると作者の立場にたって推理する感じになり、決まって粗が多く見える。それでも初読で騙されれば良いと思う。『エジプト』は派手で物語がダイナミックなので最初に読むクイーン作品としては最適」と話されました。また「ヨードチンキの瓶は初読の時に実は気づいた。どうして気づいたかというと、エジプトを読む前に、ヨードチンキの瓶という言葉があまりに有名で、これはなにかあると思って、ヨードチンキの瓶に注目して読んだからわかった。つまり、手掛かりが有名になることで、その言葉が一人歩きし、ネタバレになってしまうこともあると思われる。今後、そういったことをどう回避することができるかも考えていかなくてはならないと思った」と語り、「1932年の作品群の中でも最後の『エジプト』では苦し紛れの部分が多く見られた。入れ換えを隠すためにペダントリーを交えておどろおどろしさを演出しているが、再読ではミスリードするためであることが、あまりうまく噛み合っていない様子が見られる」とお話を締めくくりました。

ホストは資料に提示した絶賛の意を示していましたが、読書会前日、5回目を読了した際、パイプはもちろんでしたが、「ラベルのない瓶を使用する可能性は、他にもある」「死体の見立てに対する労力と手順、最後の被害者の監禁、もしくは拘束時になにも起こらなかったこと」「指紋や血液の捜査、その他諸々が読者をミスリードさせるために恣意的に隠され、ミスリードさせるためのレッドヘリング情報が全面に出ている」などの疑問が沸々と湧いてきました。読書会前半で「ヤードリー教授が犯人と思った」という意見が何人かから出てきましたが、推理の粗が見えてくると、あながち彼が真犯人ではないと証明することが難しくなってくるようにさえ思われました。

【第三幕】
好きなキャラクターの1位は「ヤードリー教授」、2位が「エラリー」、少数意見で「ルーデン巡査」「アイシャムとヴォーン」となりました。「エラリーは好きになれない」という意見が出ると、越前先生は「今回の新訳では、特に生意気に嫌われるように訳した」とお話しされました。また、好きなキャラクターについては「どの作品でも同じことを言っているが、これだけのことをできる犯人の凄さにいつも感心してしまうので、好きなキャラクターは犯人」と答えられました。
「ヤードリー教授は物語の中で醜男とかバカにされているシーンが多々あることが疑問」と何人かの方からお話がありました。たしかに、読書会では人気が高いのに不思議です。もしかすると物語が作られた時代、流行していた揶揄か冗談だったのかもしれません。

さて、続いて好きな場面については、1位が「追跡シーン」で白井先生からは「今までこのシーンが印象に残っていなかったのが、今回読んでいて、単純に犯人を追いかけるのではなく、ヤードリー、エラリーが連なって、書き置きを手掛かりに追跡して行く様子に面白さを感じた」とお話をいただきました。他には「ヤードリーがエラリーにコートを着せている。イチャイチャしているように見える」「2人のやり取りが好き」などもありました。少数意見では「ルーデンがエラリーからお金をもらって去っていくシーン」「エラリーの最後の台詞」「アイシャムとヴォーン他、釣りにいってしまって警察がいないなど、警察の情けない場面」「ヤードリーとエラリーのディスカッション」「デニムの男が、おいかけっこしているのか、と話す場面」「ヤードリーとエラリーのプールでの会話」等があげられました。

時間の余ったところで、皆の要望から、T氏の話の続きを聞くことができました。
「プロットの甘さから細かい瑕疵がいくつも見られる。例えば、クロサックの居場所を何らかの方法で知るとか。ヤードリー教授が足を引きずる男を見かけた情報をどうやって得たのか。トバル三兄弟は殺人犯なのに、その国の警察から追われていないのは何故か。死体を磔ることは客観的に犯行可能なのか(最初の3つの見立てどの場面でも)。その磔る際に目撃者が現れないのはなぜか。クリングはどうやって生きていたのか。無駄なレッドへリングを削れば、もっと本の厚さを薄くできたのではないか。
こういうミステリの読み方としては邪道な読み方だと思っているけれど……。昔は基本的に騙されたいと思って読んでいたが、年を経てきたら、騙されまいぞ、と思うようになり、小さなことが気になってしまった」
そのお話を聞いて越前先生から「普通できないと思えるようなことをできちゃう超人だから犯人が好きなんだ。『エジプト』はトリックが大きく、死体も多く出るからこそ、粗が多く見られたのだではないか」と締め括りの言葉が述べられました。

最後に、福島読書会のS氏が作った白井先生の新刊告知と『エジプト』読書会のお知らせを併せたリーフレットをもとに、白井先生がお話をされました。
「自作でも傍点はをつけまくりました」と白井先生がおっしゃられると越前先生から「それはクイーンが原体験にあるからですか」と質問があり、白井先生は「そうです」と頷いていらっしゃいました。
2時間に達したところで読書会は終了となりました。ホストとしては大変濃密で充実した時間を過ごすことができました。それは参加された皆さんが単に「名作」と語ってくれたからではなく、今回再読して、自分が薄々感じていた違和感を無意識のうちに認めないようにしていたことがはっきりと浮き彫りにできたからです。おかげで肯定と否定の狭間にフィルターをかけてぼんやりとしてした状況から昇華して抜け出ることができました。そして「こんなにも瑕疵がある作品なのに、私はこの作品を愛して止まない」と、はっきり思うこともできました。また、何故この作品を愛しているのかと問われれば、「語られる論理が、現実で通用しそうだから。(通用しないとわかっても)魅力を感じる」というところのような気がします。
ミステリについては上記の言葉だけでは言い表すことができないと思っています。それを知りたいからこそ、これからも読書会に参加しながらじっくりと考えていきたいと思います。
懇親会には越前敏弥先生と白井智之先生にも参加していただき、美味しくビールを飲むことができました。そして、その場でもミステリの話題ばかりで、とにかく最高でした。

越前敏弥先生と白井智之先生をはじめ、読書会に参加してくださった皆さん。本当にありがとうございました。

【終幕】ボーナストラック
今回、読書会でアンケートにご協力していただき、結果は以下のようになりました。

プロット サスペンス 解決 文章 論理性 感動・余韻
飯城勇三氏 10 10 10
参加者1
参加者2 10 10
参加者3
参加者4
参加者5
参加者6 10
参加者7
参加者8
参加者9 10
参加者10 10 10 10 10
ホスト 10 10 10 10 10 10
平均点 8.5 7.5 8.7 7.7 8.8 7.0

全項目の平均が7点以上を示していること、全項目を合わせた平均は8点を超えていることから、読書会に参加された方々は瑕疵が多く見られても、読み応えありの作品と受け取ってくれたと思われます(ホストの点数が高すぎる、と突っ込みが入りそうですが、そこはご了承ください)。
読書会後の回収でしたが、論理性や解決の点数が辛くならなかったのは、クイーンの底力でしょうか。

今回のアンケートにはエラリー・クイーン・ファンクラブ(EQFC)の飯城勇三氏にもお忙しい中にもかかわらず回答をいただきました。表の上段がその回答です。重複しますが下にメールでいただいた内容を表示します。

01.『エジプト十字架の秘密』を読んだ感想
角川文庫版の解説のために読み直したが、犯人の行動の必然性が、本物と偽物の両方用意してあるのが凄い。
02.『エジプト十字架の秘密』を以下の点から評価してください(各項目10点満点。10点の基準はこれまで読んで来たミステリ作品で、10点と思えるものと比較して点数をつけてください)。
プロット=10、サスペンス=9、解決=10、文章=8、パズル性(論理性)=10、感動・余韻=9
03.あなたがもっとも好きなキャラクターと場面と台詞
キャラ:エラリー
場面:解決篇全部
台詞:解決篇のエラリーのセリフ全部
04.作中に登場する手掛かり(ヨードチンキの瓶・パイプ)についてどう思いますか。
興味あり。
いずれEQFC会誌に評論を書きます。

最後の言葉には、胸が熱くなります。評論を目にするのが楽しみでなりません。
今回の読書会でも、ホスト自身はミステリの深淵を垣間見て、それに触れることができたと思います。
そして、自身がミステリを知っていくためにも、クイーン作品を介した読書会を、まだまだ続けなくてはならないと考えています。そう決心したところで、今回は閉幕(カーテンフォール)とさせていただきます。

 

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さて、月替わりで、国内ミステリーと翻訳ミステリーを交互に課題本に掲げている当読書会。
次回は、伊坂幸太郎『マリアビートル』を11月21日に予定しています。

22nd evend

※11月14日から11月21日に開催日を変更いたしました。
 また、開催場所も変更しておりますので、お間違いなきようお願いいたします。

 

第22回 せんだい探偵小説お茶会主催

伊坂幸太郎『マリアビートル』読書会

せんだい探偵小説お茶会では、11月21日(土)に第22回読書会を開催します。今回の課題本は伊坂幸太郎の『マリアビートル』です。

今回は国内ミステリーが課題本となります。

参加条件などは全くございませんので、少しでも興味がございましたら、気軽にご参加いただけると嬉しいです。

 

マリアビートル

 

昨年の『鴨とアヒルのコインロッカー』に引き続き、国内物では初の同一作家の2作品目です。
2015年11月7日に映画化が公開予定の『グラスホッパー』の続編となる本作品。

それでは、ホストからの紹介です。

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「 去年の探偵小説お茶会のテーマは『色』でした。
そして今年は『密室』だと聞いていました、私は。
そして、「マリアビートル」は東北新幹線の話だと人づてに聞きました

「新幹線密室とは面白いじゃないか。」

と言うことで、ホストを振られたら「マリアビートル」にしよう と決めていましたが
他のメンバーから「え、『密室』が今年のテーマなんて知らなかった」と言われ
それでも読み始めたマリアビートルは
東京から✖️✖️行きだと思っていたのにアッサリ通りすぎ
そしてオチでは「アレ、コレって。。。(ry」と騙された(勘違い)感いっぱいでした

東京から2時間30分(2010年9月当時)の新幹線の車中
消えるトランク 増える”業者” 増える死体
めくるめく展開の伊坂ワールドをどうぞご堪能下さい

※「グラスホッパー」「魔王」も合わせてお読みいただくと
より一層 お楽しみいただけるかと思います。 」

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■日程:2015年11月21日 15時30分~17時30分(途中退室可)

■会場:戦災復興記念館 第2和室
(青葉区大町2丁目12番1号)

■参加費:一般 500円、学生 無料(会場費、諸経費等)

■持物:伊坂幸太郎『マリアビートル』(角川書店)

※各自で必要に応じて飲み物をご持参ください。(会場内に飲み物の準備はございません)

■申し込み:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.comまでご連絡いただくか、Twitterにて@sendaimysteryまでリプライまたはDMを送ってください。

※携帯メールは受信できない場合があるようです。主催者側から返信の無い場合は、お手数ですがPCメールで再度ご連絡ください。

これまでの読書会でも、様々な年代・性別の方にご参加いただいております。ぜひ気軽にご参加ください。

また読書会終了後には懇親会を予定しておりますので、お時間のご都合がつく方は、こちらにもぜひご参加頂ければと思います。

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21st event

第21回 せんだい探偵小説お茶会主催

(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)

エラリー・クイーン『エジプト十字架の秘密』(角川文庫)読書会

せんだい探偵小説お茶会では、9月26日(土)に第21回読書会を開催します。今回の課題本はエラリー・クイーンの「エジプト十字架の秘密」です。

今回は翻訳ミステリーが課題本となります。

参加条件などは全くございませんので、少しでも興味がございましたら、気軽にご参加いただけると嬉しいです。

 

エジプト十字架の秘密 (角川文庫)

 

1985年に上梓された東西ミステリーベスト100では、31位にランクイン。2012年11月にリニューアルされた同誌では、順位は下げるも42位にランクイン。そしてクイーンファンクラブ2014年に行われた国名シリーズベスト10では『ギリシア棺の秘密』を押さえて1位に。

創元推理文庫の見開き紹介文「Tの字形のエジプト十字架に、次々とはりつけにされて死んでいた小学校長、百万長者、快速船をあやつるスポーツマン、そして素性がわからない男の、四つの首なし死体。その秘密を知るものは四人しかいない。エラリー・クイーンはついにさじを投げた。しかし、最後にいたって見つけた、たった一つのヨードチンキのびんから、もつれにもつれた事件の謎は快刀乱麻一挙に解決された。あらゆる近代の快速交通機関を利用しての四州にまたがり、550マイルにのぼるスリル満点の犯人の追跡。そして読者の前に突如として突き出された犯人は、はたしてなんぴとであったか? クイーンが会心の微笑をもらして読者に挑戦する快作の一つ。」(東京創元社文庫・井上勇訳、1982年10月8日刊行の53版より引用)は、今でもホストの作品紹介文ランキングで上位に入り、クイーンの国名シリーズの中では一位を占める作品であります。どうです、読みたくなるじゃありませんか。読まずにはいられなくなるではありませんか。

今回の読書会の課題本は、そうです。エラリー・クイーンの国名シリーズ第5作、『エジプト十字架の秘密』(角川文庫 訳 越前敏弥・佐藤桂)です。

今回の読書会では、『エジプト十字架の秘密』の魅力をより深く味わいたいと考えているので、読書会での参加者の発表項目を事前にお知らせします。

01.『エジプト十字架の秘密』を読んだ感想
02.『エジプト十字架の秘密』を以下の点から評価してください(各項目10点満点。10点の基準はこれまで読んで来たミステリ作品で、10点と思えるものと比較して点数をつけてください)。
プロット=( )、サスペンス=( )、解決=( )、文章=( )、パズル性(論理性)=( )、感動・余韻=( )
03. あなたがもっとも好きなキャラクターと場面と台詞
場面=(      )ページの(      )。理由(    )。
台詞=(      )ページの(      )。理由(    )。
04. 作中に登場する手掛かりについてどう思いますか。
・興味なし ・興味あり ・わからない(理由・意見・感想等)。
※エラリー・クイーン・ファンクラブ(EQFC)の過去のアンケートを参考にしました。

ホストが勝手を言って申し訳ありませんが、参加される方は、この4つの項目について、よろしければ回答を準備していただきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。

ミステリの深遠に触れる良い機会です。
是非、せんだい探偵小説お茶会まで足をお運びください。

なお、せんだい探偵小説お茶会とクイーンの相性が良いのか、レーン四部作読書会で来仙していただいた訳者の越前敏弥先生が、今回の読書会にもゲストとしてお越しくださるという喜ばしい連絡を受けました。
ミステリ、クイーンファンのみならず、越前敏弥先生ファンの方もせんだい探偵小説お茶会まで足を運んでみませんか。

■日程:2015年9月26日 16時30分~18時30分(途中退室可)

■会場:シルバーセンター 和室
(仙台市青葉区花京院1-3-2)

■参加費:一般 500円、学生 無料(会場費、諸経費等)

■持物:エラリー・クイーン『エジプト十字架の秘密』(角川書店 訳 越前 敏弥・佐藤桂)

※各自で必要に応じて飲み物をご持参ください。(会場内に飲み物の準備はございません)

■申し込み:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.comまでご連絡いただくか、Twitterにて@sendaimysteryまでリプライまたはDMを送ってください。

※携帯メールは受信できない場合があるようです。主催者側から返信の無い場合は、お手数ですがPCメールで再度ご連絡ください。

これまでの読書会でも、様々な年代・性別の方にご参加いただいております。ぜひ気軽にご参加ください。

また読書会終了後には懇親会を予定しておりますので、お時間のご都合がつく方は、こちらにもぜひご参加頂ければと思います。

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20th Report

第20回 せんだい探偵小説お茶会主催

泡坂妻夫『亜愛一郎の狼狽』

読書会レポート

執筆者:73番目の密室

時に西暦2015年7月26日-陽射しは獰猛で、焦熱は極まり、街路には陽炎が揺蕩う盛夏の1日。杜の都の一角に鎮座する戦災復興記念館5階の和室に於いて、第20回せんだい探偵小説お茶会が開催されました。参加人数は11名、うち初参加の方が1名。全員が定刻までに到着してくださいました。おかき、大福、薄皮饅頭等のメンバーが持ち寄ったお菓子も各人に行き渡り、直前に手洗いに立ったホストが戻ってくるのを待って(どうもすみませんでした…)15時30分やや過ぎ、和やかなムードで読書会が幕を開けます。

課題書は『亜愛一郎の狼狽』。海外のブラウン神父シリーズと比肩される奇想と逆説と諧謔に満ちた“亜愛一郎シリーズ”の劈頭を飾る短編集。紋章上絵師、アマチュアマジシャンの顔も持つ多芸のミステリ作家泡坂妻夫の代表作として、今尚多くの人に愛されている1冊です。かく言う筆者も本書の熱狂的なファン、未だこれ以上の光彩を放つミステリ短編集にはお目にかかったことがありません(個人の感想です)。

皆様の自己紹介が済むと、いよいよ議題は本の感想へ。本読書会の傾向として以前から「ミステリを読む際にはストーリー性を重視する」という意見の方が多く、本作のような仕掛けに重点を置いた作品は酷評されるのでは…と始まる前には憂慮していたのですが、皆様の声を伺ったところ豈図らんや!殆どの方から好評をいただき、中には「続きを読んでみたい」と仰ってくれる方もおられ、私の杞憂を跡形もなく吹き飛ばしてくれました。ホストとして1ファンとして、実に嬉しい誤算でした。半数以上の方が今回初読ということにも関わらずとても好意的に受け止めていただき、心から『亜愛一郎の狼狽』を課題本に選んでよかった!と思えました。一方で「内容が腑に落ちなかった」「読みにくかった」という声も上がり、やはりアクの強さが人を選ぶ作品であることも確かなようです。また「登場人物の名前が印象的」「亜に相棒がいないのが残念」「“三角形の顔をした洋装の老婦人”が気になる」などの感想をいただきました。最後のご意見に関しては、是非続編を読んでいただきたく…(にやりと口元を歪めながら)

尚この感想を述べる際、亜シリーズを1作目の『DL2号機事件』が雑誌幻影城に掲載された時から読んでいたと仰るTさんが徐にバッグを開き、幻影城ノベルス版、角川単行本版、角川文庫版の『亜愛一郎の狼狽』、そして何と『DL2号機事件』掲載号の幻影城までをも取り出し、メンバーに回覧してくれました。思わぬサプライズに会場がどよめきます。グレイト、それってもう国宝級の代物じゃないですか!?もちろん私も狂喜し、自分のところまで回ってくると喉から手が出そうになるのを必死に抑えつつ(く、静まれ…!)、夢中になって見入りました。その間ホストの役目はそっちのけです。おい、司会しろよ。
ちなみに『狼狽』は上記3種の他に創元推理文庫版からも刊行されており、現在ではそれが唯一版を重ねている形態です。こちらの表紙は2種類あり、参加メンバーの多くは現在流通している表紙の版をもってこられたのですが、偶々私が持っていたのはそれ以前の表紙の版でした。つまり上記3種と合わせ、この日の会場には日本で刊行された『亜愛一郎の狼狽』の全ての表紙が期せずして集結したこととなります。

その後は著者のプロフィールなどを追っていき、一段落したところでメンバーに「収録作中でどの短編が一番好きだったか」という質問に答えていただきました。この結果、最も好評を博したのは『掌上の黄金仮面』。物語上で展開される情景の映像的なインパクトと、真相の逆説の巧みさが多くの人の心を捉えたようです。その他にも『掘出された童話』、『ホロボの神』といった作品も人気でした(『掘出された童話』は賛否がわかれました)。逆に『曲がった部屋』に関しては「作中に出てくるシデムシが気持ち悪い」という意見が主に女性陣から強く、やや敬遠されがちでした(苦笑)。尤も、「シデムシが苦手なだけでトリック等は好き」という声も多数聞こえてきました。他には「『G線上の鼬』は情景がイメージしにくい」という意見も。
またこのアンケートの際、今回の読書会を所用により欠席された仙台のクイーンファンさん(これまでの読書会では皆勤賞を達成されておられました。凄い!)がメールで送っていただいた感想が世話人のMさんにより発表されました。その中でクイーンファンさんは『ホロボの神』を作中1位に挙げ、また『DL2号機事件』についても激賞しておられました。クイーンファンさん、玉稿ありがとうございました。

その後レジュメに乗せた2,3の四方山話を経て雑談へ移ります。「亜愛一郎シリーズやブラウン神父シリーズのような面白さを持つ作品は他にありませんか?」という問いかけには、百戦錬磨の読書歴を誇る本読書会メンバーも中々答えられず。それほど本作含む亜シリーズやブラウン神父譚が、独創性に富んだ稀有な作風であるということなのでしょう。近年「泡坂妻夫の影響を受けた作家」としてしばしば米澤穂信が紹介されていることから、(主に米澤シンパであるホストの強引な先導により)同著者の『満願』『儚い羊たちの祝宴』『追想五断章』などの名も挙がりましたが、やはりこれらも“?”マークの浮遊する回答となりました。泡坂妻夫の奇想と諧謔を受け継ぐ作家が、一日も早く登場することを願って止みません。

そのような話に華を咲かせているうちに終了時間の17時半を迎え、今回の読書会も無事閉幕となりました。参加していただいた皆様、どうもありがとうございました。亜愛一郎の話を2時間思いっきりすることができ、ホストとしては至福至上の時間を過ごすことができました。他の方々にとってもそうであったなら、これ以上の喜びはありません。
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さて、月替わりで、国内ミステリーと翻訳ミステリーを交互に課題本に掲げている当読書会。
次回は、エラリー・クイーン『エジプト十字架の秘密』(角川書店 越前敏也訳)を9月26日に予定しています。
詳細は近日HPにて公開予定です。

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20th event

第20回 せんだい探偵小説お茶会主催

泡坂妻夫『亜愛一郎の狼狽』読書会

せんだい探偵小説お茶会では、7月26日(日)に第20回読書会を開催します。今回の課題本は泡坂妻夫の『亜愛一郎の狼狽』です。

今回は国内ミステリーが課題本となります。

参加条件などは全くございませんので、少しでも興味がございましたら、気軽にご参加いただけると嬉しいです。

 

亜愛一郎の狼狽

 

2013年、ドラマ化もされた作品。
また、泡坂妻夫と言えば『11枚のトランプ』や『乱れからくり』といったオールタイムベストに選ばれるような作品を思い浮かべる人も多いことでしょう。
ですが、今回は『亜愛一郎の狼狽』です。
しかし・・・そんな泡坂妻夫ですら今回もホストは未読です。。。
いったい今まで何を読んできたのやら。

というわけで、ホストからの紹介です。

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泡坂妻夫。奇想を駆使し独創的なトリック・ロジックを数多生み出し続けた、ミステリ界の魔術師。近年彼が著した“仕掛け本”、『しあわせの書』が再び脚光を浴び、巻き起こった静かなブームが記憶に新しい方も多いかと思います。

そんな泡坂氏の処女短編集にして亜愛一郎シリーズの嚆矢、『亜愛一郎の狼狽』をこの度の課題図書に指名させていただきました。東西ミステリ1985年版国内編17位、2012年版国内編16位と、長期に渡りミステリファンから高い評価を受け続けている1冊です。最早「現代の古典」と言っても過言ではないでしょう。

長身で秀麗な顔立ち、貴公子的な風貌を持ちながらも、一皮むけばドジでノロマで小心者と三枚目そのもののフリーカメラマン、亜愛一郎。そんな彼が事件に遭遇し白目を向けば、持ち前の洞察力と想像力で忽ち真相を看破してしまいます。

こんなユニークでユーモラスな名探偵像も本書の大きな魅力の1つですが、彼が遭遇する事件もどれも奇妙奇天烈なものばかり。その陰に潜む読者の心理的盲点を突く意外な真相の数々は、さすがマジシャンの顔も合わせ持つ著者の面目躍如と言えるでしょう。文章も非常に軽妙でウィットに富み、読者はあれよあれよという間に読み進め、気がつけば著者の罠に絡め取られてしまいます。ミステリファンにとって至福の体験が、そこに待っています。

独特の思考形態が早くも光るデビュー作『DL2号機事件』、暗号ミステリの極地『掘り出された童話』、著者にしか書けない唯一無二の密室『ホロボの神』等々…傑作、怪作が勢ぞろい。1度ページをめくれば、貴方も泡坂ワールドが病みつきになること間違いなし!全編驚愕と諧謔に溢れた名短編集を是非ご堪能ください。

そして宜しければ、読書会にて皆様とこの魅力を大いに語り合いたいと思っております。奮ってのご参加、心よりお待ちしております。

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■日程:2015年7月26日 15時30分~17時30分(途中退室可)

■会場:戦災復興記念館 第3和室
(青葉区大町2丁目12番1号)

■参加費:一般 500円、学生 無料(会場費、諸経費等)

■持物:泡坂妻夫『亜愛一郎の狼狽』(創元推理文庫)

※各自で必要に応じて飲み物をご持参ください。(会場内に飲み物の準備はございません)

■申し込み:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.comまでご連絡いただくか、Twitterにて@sendaimysteryまでリプライまたはDMを送ってください。

※携帯メールは受信できない場合があるようです。主催者側から返信の無い場合は、お手数ですがPCメールで再度ご連絡ください。

これまでの読書会でも、様々な年代・性別の方にご参加いただいております。ぜひ気軽にご参加ください。

また読書会終了後には懇親会を予定しておりますので、お時間のご都合がつく方は、こちらにもぜひご参加頂ければと思います。

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19th event

第19回 せんだい探偵小説お茶会主催

(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)

ドン・ウィンズロウ『ストリート・キッズ』(創元推理文庫)読書会

せんだい探偵小説お茶会では、6月14日(日)に第19回読書会を開催します。今回の課題本はドン・ウィンズロウの「ストリート・キッズ」です。

今回は翻訳ミステリーが課題本となります。

参加条件などは全くございませんので、少しでも興味がございましたら、気軽にご参加いただけると嬉しいです。

ストリート・キッズ

 

ドン・ウィンズロウが生んだ名探偵ニール・ケアリー5部作の1作目、「ストリート・キッズ」を課題図書に選びました。

ドン・ウィンズロウって誰?
名探偵ニール・ケアリーなんて聞いたことない。名探偵といったらシャーロック・ホームズでしょ!という人にこそ読んでもらいたい。

物語は8月に民主党全国大会を控えた5月に始まる。
民主党全国大会で副大統領候補に押されるはずの上院議員の行方不明の娘を探してきてほしいとの依頼があり、さまざまな思惑が絡まる中、ニール・ケアリーはその依頼を受けることになる。

減らず口の陰にナイーブな心を隠した少年、ニール・ケアリー。そんな彼に探偵としての技術を仕込んだグレアム。他にも魅力的なキャラクターが登場する本作。
横文字の名前が苦手?大丈夫!本作は一人ひとりのキャラクターが魅力的に描かれているので、すっと頭に入ってきます。
更には、東江一紀氏の訳がまた素晴らしい!読みやすい!

是非この機会にドン・ウィンズロウ「ストリート・キッズ」を手にとってお読みください。
そして、あわよくば、読書会にも参加頂ければ幸いです。

1作目を読んだ人は是非、2作目以降も。

※有名な「決まり金玉」の訳は本作ではなく、2作目の「仏陀の鏡への道」で登場しますので、あしからず。

■日程:2015年6月14日 15時30分~17時30分(途中退室可)

■会場:戦災復興記念館 4階第5会議室
(仙台市青葉区大町2丁目12-1)

■参加費:一般 500円、学生 無料(会場費、諸経費等)

■持物:ドン・ウィンズロウ「ストリート・キッズ」(創元推理文庫)

※各自で必要に応じて飲み物をご持参ください。(会場内に飲み物の準備はございません)

■申し込み:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.comまでご連絡いただくか、Twitterにて@sendaimysteryまでリプライまたはDMを送ってください。

※携帯メールは受信できない場合があるようです。主催者側から返信の無い場合は、お手数ですがPCメールで再度ご連絡ください。

これまでの読書会でも、様々な年代・性別の方にご参加いただいております。ぜひ気軽にご参加ください。

また読書会終了後には懇親会を予定しておりますので、お時間のご都合がつく方は、こちらにもぜひご参加頂ければと思います。

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18th Report

第18回 せんだい探偵小説お茶会主催

皆川博子『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』

読書会レポート

執筆者:マダム・リー

 定禅寺通の欅並木が日に日に色を深める、仙台が一番美しくなる時期の日曜日の午後。第18回せんだい探偵小説お茶会が開催されました。商業ビルの上階に上り、ぐるりと廊下を進んだ奥の和室に集まった参加者は10名。今回初参加の方はいらっしゃいませんが、初顔合わせはあり。みなさまに持ち寄っていただいたお菓子を並べて(開いて、開いて開いてお菓子本体が登場するネタ仕込みあり、課題書にちなんだもの・課題書とは関係ないものあり)和やかな開始前のひとときです。

課題書は皆川博子氏の『開かせていただき光栄です−DILATED TO MEET YOU−』。第12回の本格ミステリ大賞受賞作です。著者の皆川氏は、誠に多岐に渡り精力的にご執筆なさっておられる方。でも、実は初読!何故か手にしていなかった!という声が多数。課題書でなければ絶対に読むことがなかった、という方もいらして、嬉しくなりました。狙い通りです、ふふふ。なんとなく後回しにしていた、一読歓喜して著者の経歴を見たら年齢に驚愕!との声も。『死の泉』とはまた違って明るく読みやすい、細部まで練って作られている、などの感想も聞かれました。

読んでみていかがでしたか?と伺ってみると、まず名前が覚えられない!との声が複数。翻訳物はそれが理由で敬遠しがちなので、今回は日本の作家さんだからよし、と思って読んでみたらなんとなんと…!と嘆かれた方もいらして、いやほんとすみませんでした。かく言うホストも、実は本書は過去一度挫折。いきなり通称で骨皮(スキニー)・アル、とか言われてもうなんか苦手かも、と思ったから。容姿端麗とか天才画家とか、あんまりよく知らないけど『ポーの一族』っぽいイメージでした。

その『ポーの一族』を連想された方、他にもいらっしゃいました。うまく入り込めなかったけれど、そのイメージを借りてのめり込めた。あるいはそのイメージでますます苦手な感じになり苦労した、男同士の距離感がおかしい=近すぎる、などなど。バートンズのパートはなんだか今ひとつだったけれど、詩人志望のネイサン少年が登場してから共感して読み進められるようになったとのお話しもありました。

さて、舞台は18世紀末のロンドン。猥雑さと熱気が入り交じるその時代の街の様子は、ライトな読み味の本書からはあまり感じられないとのご意見が複数。時代考証に散見される齟齬はともかく(しっかりと例示してご説明いただきました。いつも本当にありがとうございます)、箱庭的な描写にとどまっているのは意図的なのか否か。時代ミステリなのだけれど、登場人物の行動や発言は現代的で時代性が感じられない。気になるネタや人物が満載なのだけれど、すっきり読める反面、もうひとつ食い足りない感じがするといった発言がたくさん出てきて、改めて気づくことや考えてみたいことがどんどん増えました。

本書は続編『アルモニカ・ディアボリカ』もハヤカワ・ミステリワールドから刊行されています。どんな続編になっているの?あの人出てくるのかな?気になる展開ですが、もう何を言ってもネタバレになってしまうので、興味のある方はぜひ!というところでお開きに。展開予想が見事にはずれていましたとの発言や、自身が読んでいる本たちがリンクしていくことにも夢中になってしまう、こんな本とも共通する点があるよ、などなど、今回も興味深いお話を沢山伺うことができました。お会いできた皆様と、これからお会いする皆様のミステリ愛に乾杯。また読みたい本が増えたので、せっせと読んでいきたいと思います。本当にありがとうございました。

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ちなみに、福島読書会の世話人から焚き付けられ、作品にちなんだお土産を、ということで仙台の世話人が用意したのものは『外郎(ういろう)』でした。
作品中で、墓暴きに対して「この、下郎(げろう)が」というような台詞があったと記憶していて、その下郎にかけて、外郎を用意してみました。(ちなみに、そんな台詞が果たしてあったかどうかは確認していません!)
お後がよろしいようで。

さて、月替わりで、国内ミステリーと翻訳ミステリーを交互に課題本に掲げている当読書会。
次回は、ドン・ウィンズロウ『ストリート・キッズ』を6月14日に予定しています。
詳細は近日HPにて公開予定です。

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18th event

第18回 せんだい探偵小説お茶会主催

皆川博子『開かせていただき光栄です -DILATED TO MEET YOU- 』読書会

せんだい探偵小説お茶会では、4月19日(日)に第18回読書会を開催します。今回の課題本は皆川博子の「開かせていただき光栄です -DILATED TO MEET YOU-」です。

今回は国内ミステリーが課題本となります。

参加条件などは全くございませんので、少しでも興味がございましたら、気軽にご参加いただけると嬉しいです。

 

開かせていただき光栄です

皆川博子・・・すいません。世話人は全くの未読です。おそらく課題図書にならない限り、手に取ることもなかったのでは。しかし、今回ホストのマダム・リーおすすめの1冊。これがおもしろくないわけがない!

というわけで、ホストからの紹介です。

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18世紀ロンドン。解剖学教室。あるはずのない屍体。有能で個性的な若者たち。ちょっと困った先生。盲目の治安判事と助手。稀覯本。詩人志望の少年。

これらの単語に心ふるえてしまったみなさま。おすすめしたい本があります。

その辺の背景についてはよく知らないからなあ、と腰が引けてしまった方。大丈夫!私も知識に乏しいのですが、読み始めたらもう夢中でどんどん頁をめくってしまいました。

そこには特に興味ないけど面白い本ならいいかなあという方、それは読んだよ〜という方、みなさま仙台にいらしてください!春の日のひと時、あれこれお話ししましょう!キャラクターについて熱く語るもよし、トリックについて考察するのも素敵、時代背景をひも解くのも面白い、広い間口と深い懐で魅了してくれる一冊が課題書です。みなさまにお会い出来るのを楽しみにしております。

マダム・リー

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■日程:2015年4月19日 15時30分~17時30分(途中退室可)

■会場:エル・パーク仙台 和室1
(仙台市青葉区一番町4丁目11番1号141ビル(仙台三越定禅寺通り館))

■参加費:一般 500円、学生 無料(会場費、諸経費等)

■持物:皆川博子「開かせていただき光栄です -DILATED TO MEET YOU-」(ハヤカワ文庫)

※各自で必要に応じて飲み物をご持参ください。(会場内に飲み物の準備はございません)

■申し込み:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.comまでご連絡いただくか、Twitterにて@sendaimysteryまでリプライまたはDMを送ってください。

※携帯メールは受信できない場合があるようです。主催者側から返信の無い場合は、お手数ですがPCメールで再度ご連絡ください。

これまでの読書会でも、様々な年代・性別の方にご参加いただいております。ぜひ気軽にご参加ください。

また読書会終了後には懇親会を予定しておりますので、お時間のご都合がつく方は、こちらにもぜひご参加頂ければと思います。

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17th Report

第17回 せんだい探偵小説お茶会主催

(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)

ガストン・ルルー「黄色い部屋の謎(秘密)」読書会レポート

執筆者:暮尾

せんだい探偵小説お茶会は、2月22日 に、第17回となる読書会を開催しました。

対 象書籍には、約百年前のフランスの新聞上で連載、刊行され、今も多くのミステリ読者、特に密室マニアには必読とも思えるガストン・ルルー の「黄色い部屋の 謎(秘密)」を選定、お菓子の時間を三十分ほど過ぎた頃に、世話人のM氏の一声で、始まりました(以降、ネタを割っている箇所が一部ある ため、「黄色い部 屋」未読の方は、ご注意ください)。

自 己紹介を済ませる一同。「黄色い部屋」の続編にあたる「黒衣婦人の香り」は、出版社さんで取り扱われていないことを理由に、今回は課題書 籍から除外してい たのですが、事前に読んでこられた方が多く、また、インターネットを通じて購入を計画している方もいらっしゃり、参加者の、ミステリへの 情熱を感じまし た。
ホストを務めたわたし、M氏、福島から参 加され、三年前の東西ミステリーベスト100海外編で、「黄色い部屋」を一位に投票されたS氏が持参したお菓子の紹介も終わり、読書会の 本題となる、自由に感想を伝えていただく時間へ。
初めて読んだ大人向けミステリ、海外作品 という思い出深い声もあれば、読了まで時間を費やした、内容が頭に入ってこなかったという声も。かくいうホストの自分も、初読時は、すん なり進まなかったというのが、正直なところです。
し かしながら、新訳という新たなかたちで、他作家の作品が、世に受け継がれようとされる昨今、「黄色い部屋」の文体は、冗長さは否めないも のの、ルールタ ビーユの持ち出す事実、断定的な台詞、傍点、言い回しといった要素は、再読時には、異なる輝きを放ち、文体のリズムに慣れると、より味わ い深く感じられる ことと思います。
「黄 色い部屋」が翻訳ものであり、また約一世紀前のフランスの小説であるという二点を考慮しない場合、ホストの私見としては、この作品で綴ら れる文章そのもの は、現代の視点で見つめてみると、初読よりも、むしろ再読向きに書かれているように感じてなりません(創元推理文庫版を参考としていま す)。

内容については、物語全体としてのおもし ろさや、その中でも皆さんが印象に残ったシーンを、各自発言され、わたしを含む参加者の、まさに十人十色の感想・批評を聞くことができ、 ホストとしては、まことに楽しく、大いに参考となり、感謝しております。
三つの事件について話が及ぶと、第二の事 件が、三つの中では好きと答えた方が多く、また個人的に、最も関心を寄せていた、 黄色い部屋で起きた密室の解明については、概ね好意的な意見をいただいた反面、スタンガースン嬢の首に残った手形の隠し方や、第二の事件 において、二秒間 で果たして可能なのか等の、現実に即した細部の疑問点について議論がされる中、最終的には、<ラルサンだから>という犯人の万能性を結論 とした後、参加者 の方には、開会後に急遽告知した、「好きである、印象に残っている密室もの」を、各々あげていただきました。この場では、一部抜粋して、 ご紹介したいと思 います。

・エラリー・クイーン「チャイナ橙の謎」
・大阪圭吉「灯台鬼」
・クリスチアナ・ブランド「ジェミニー・ クリケット事件」
・ヴァン・ダイン「カナリヤ殺人事件」
・カーター・ディクスン「ユダの窓」、 ジョン・ディクスン・カー「三つの棺」、「妖魔の森の家」、「白い僧院の殺人」
・島田荘司「斜め屋敷の犯罪」
・泡坂妻夫「ホロボの神」
・デレック・スミス「悪魔を呼び起こせ」
・ジョン・スラデック「見えないグリー ン」
・横溝正史「本陣殺人事件」
・ロナルド・A・ノックス「密室の行者」

最後に、黄という色には込められた意味が あると仮定した上で、ホストなりの考察を発表させていただきました。
意 味の有無は、作者であるガストン・ルルーのみぞ知るというのは先刻承知、サフランという花、サフラン色についての説明から、黄色の心理効 果、参考文献と なった福田邦夫「ミステリーと色彩」の内容をもとに披露したものの、ルールタビーユのような弁舌とはいかず、脆弱な論理であることを、わ たし自身、発言し ながら感じていましたが(笑)、読書会の余興として、参加者の皆さんの心に、少しでも留まれば幸い、というところであります。

最後まで目を通していただき、ありがとう ございました。

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ホストによる「黄色」に対する独自の見解に参加者から感嘆の声があがる中、読書会は幕を閉じ、懇親会へと流れていきました。
懇親会の中でもみなさんのミステリー談義は尽きることを知らず、気づけば帰りの電車の時間が迫っている、というのも既に当読書会の恒例となってしまいました。

さて、月替わりで、国内ミステリーと翻訳ミステリーを交互に課題本に掲げている当読書会。
次回は、皆川博子『開かせていただき光栄です―DILATED TO MEET YOU―』を4月19日に予定しています。
詳細は近日HPにて公開予定です。

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16th Report

第16回 せんだい探偵小説お茶会主催

白井智之『人間の顔は食べづらい』読書会レポート

執筆者:蒔野正徳

1月25日に第16回となるせんだい探偵小説お茶会を開催しました。

第1回読書会(当会では、第0回と呼称していますが。)が2013年1月13日に開催されましたが、それから早2年、2年目を迎えることが出来ました。
記念すべき、2周年目の作品として取り上げたのが、当読書会の発起人であり、初代世話人である白井智之さんのデビュー作です。

ミステリーを読むこともされど、新人賞に応募し、将来はミステリー作家に、と考えられている方が、当読書会に何名か所属しておりますが、こんなにも早く当読書会発のミステリー作家が生まれるとは思っておりませんでした。

さて、その白井さんのデビュー作ですが、第34回横溝正史ミステリー大賞の最終選考に残り、「横溝正史ミステリー大賞史上最大の問題作」と評された作品でもあり、賞を与えるかどうか最後まで審査員の間で評価が分かれたようです。
(結局は、賞を逃してしまいましたが。)

というわけで、そんな作品を取り上げた読書会。
どんな問題児が参加するのか?
どんな罵詈雑言が飛び交うのか?
作者を目の前に、こき下ろされてしまうのか?
という不安を世話人は抱きつつ開催されたのでした。

今回は宮城、山形、福島、千葉(作者)の各県から合計12名が集まりました。
内、初参加が2名(1名は福島読書会のメンバー)。

さてさて、メンバーが開場入りしてまず一言。
「何ここ!?」
メンバーがそう言われるのももっとも。
今までは、研修室や和室で開催していた当読書会。
前回、越前先生がいらしたときですら、和室だというのに、今回用意した部屋は特別会議室。
よくTVドラマ等で取締役会が行われるような部屋を想像してもらうとよいかと。
あれよりはちょっとイスの数が少ないぐらいの、あんな感じの部屋です。
前々から一度使ってみたいと思ってた場所で、今回はたまたま予約がとれたので使ってみました。

そんな、重役になった気分でイスにふんぞり返りつつ、読書会が開始されました。

今回も参加者から色々なお土産を頂きました。
福島読書会からは、二本松少年隊士物語「霞の天地」のイラストが入ったお菓子と人間の顔は食べづらいが、ひよこの顔は食べられる、ということで東京銘菓「ひよこ」を頂きました。
対して、世話人が用意したのが「グミマロ」。マシュマロをグミでコーティングしたお菓子で、課題図書中に出てくるクローン人間の脂肪に近い感触を味わえるのではないかと。

続いて自己紹介ということで、各々の好きな小説・作家を述べてもらうとともに、今回の課題図書にあやかって、「人間の顔は食べづらい、ということなので、食べづらい部位・食べてみたい部位」を挙げてもらいました。
「食べづらい部位は特になし。特に食べたい部位もない」
「お尻かなあ」
「今日は体調的に食べたくない。普段だったら・・・どこでも?」
「女性のいる前では言いにくいが・・・女体!」
「レバー」
「人は食えないな、と。」(一筋縄ではいかない、という意味で)
「太ももなんて、おいしそうかな」
「舌(タン)」
「どんな動物もホルモンはおいしいので、人間のホルモンもおいしいのでは」
「ほっぺたの肉が柔らかく食べてみたいかも」
「ハンニバルから脳みそなんてどうでしょう」
「腕の肉」
・・・全員のアンケート結果を見ると全身の部位がくまなく網羅されてるようで、このメンバーであれば部位を取り合うこともなく、平らげることも出来てしまうようです。
まあ・・・食べませんけどね!
しかし、課題図書中では、捨てられる部位である頭部の部位を選択した方が3名もいました。動機として頭が食べてみたかったから、というのも実は有力な候補だったのでは?

続いて、皆さんの感想です。
「好きな作品。最後のエピローグはニヤニヤしながら某喫茶店で読んでいたので、周囲の人に変な人とみられたのでは。。。」
「ダメかも・・・と思いつつ読んでいくうちにはまっていった。チャー坊がお気に入り」
「ミステリーとして面白く読めた」
「すごくトリッキーでSF的な作品。最後の『あ、俺、○○○○っす』的な最後が良かった」
(○○○○ネタバレなため、伏字)
「嫁にも読ませたが、タバコのシーンでピーンときたらしいが、自分は全く気づかず、気持ちよくだまされた。再読した際も、様々な伏線が張り巡らせていることに気付いたが、結局、騙されてしまった」
「最近読んでいる本としてタイトルを友人に告げたところ、引かれた。多重解決の部分が以前の課題本(『毒入りチョコレート事件』)が連想された」
「映画化は不可能な作品」
「多重推理が面白く読めた」
「由島の扱いが良く言えばエキセントリック、悪く言えば雑。推理合戦が面白く読めた。様々な伏線が張り巡らされているが、それを気にせず読ませるリーダビリティの高い作品」
「クローンをこのような使い方をした作品というのは初めてではないかと思う」

いつもは否定的な感想が出るのに、今回に限っては参加者全員が絶賛。
作者が同席した効果か!?
いえいえ、作品が素晴らしいんです!!

と、感想の中で作者への質問がいくつか挙がったので、それも併せて紹介。

参加者「由島 美紀夫は三島 由紀夫のパロディか?だから、ハラワタ?」
作者「以前、別の作品で使用したキャラを使いまわしただけ」

参加者「横溝正史の作品には首なし死体が多く登場するが、それを狙って横溝正史ミステリ大賞に応募したのか?」
作者「特にそういった意識はなかった」

参加者「構想、執筆は2年ほど前とのことだが、その時はIPS細胞が騒がれていた時期だがそういった影響から作品が生まれたのか?」
作者「特に意識したわけではないが、そういったニュースに影響された部分もあるのかも」

参加者「クローンをこういう使い方をするというのは、どうやって生まれたアイディアなのか?」
作者「設定よりもトリックが先にあった。そのトリックを実現する方法を模索していた中でクローンという設定に行き当たった。後は、YouTubeでフォアグラの育て方を見て、これを人間でやったらおもしろいのでは、と考えた」

参加者「人(クローン)を食べる、という所から『人肉饅頭』という作品が思い起こされたが?」
作者「その作品は見たことがない。他の人からはSF映画『ソイレント・グリーン』を見たの?とは言われた」
参加者「藤子・F・不二雄の『ミノタウロスの皿』は?」
作者「それは読んだことがあるので、何らかの影響は受けたかも」

ここで、作者から読者への質問ということで、トリックに気付いた人は?との質問に対しては、11人中5人が途中で気付いたとのことで、約半数が気付いていたよう。
さすがは古今東西のミステリを読み尽くしたミステリ好きが集まる会。
・・・当然の事ながら世話人自身は最後まで気付かず、いつもどおり気持ちよく騙されました。

その後、作者から本作についての執筆秘話や出版に際しての裏話などを聞きましたが、オフレコということで、参加された方だけの秘密です。

最後に作者初のサイン会と称して、参加者全員が課題本にサインをもらって終了となりました。

※出版記念ということで、せんだい探偵小説お茶会からブックカバーをプレゼントさせて頂きました。

読書会終了後は、場所を移動してイタリアンレストラン?での懇親会。
懇親会には10人が参加し、あまり広くない店なので、ほぼ貸切状態。
お酒を飲みつつ、更に突っ込んだ質問をしてみたり、各自が今読んでいる本の紹介や人に勧めたい本(但し、参加者の誰も読んでいない本)を各々言い合ったりして楽しい時間を過ごしました。

白井さんの次回作(現在構想中)に期待して、本日の読書会は閉会となりました。

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月替わりで、国内ミステリーと翻訳ミステリーを交互に課題本に掲げている当読書会。
次回は、2月22日にガストン・ルルー「黄色い部屋の謎(秘密)」予定しています。
皆様の参加をお待ちしております。

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17th event

第17回 せんだい探偵小説お茶会主催

ガストン・ルルー『黄色い部屋の謎(秘密)』読書会

せんだい探偵小説お茶会では、2月22日(日)に第17回読書会を開催します。今回の課題本はガストン・ルルーの「黄色い部屋の謎(秘密)」です。

今回は翻訳ミステリーが課題本となります。

参加条件などは全くございませんので、少しでも興味がございましたら、気軽にご参加いただけると嬉しいです。

黄色い部屋の謎

去年のせんだい探偵小説お茶会では「色」をテーマに課題図書を選んでいましたが、一身上の都合?により開催が見送られた本作品を新年の翻訳物の1発目に持ってきました。

それでは、ホストからの紹介です。

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せんだい探偵小説お茶会の、二月の読書会で取り上げる作品は、ガストン・ルルーが遺した、ミステリー史に燦然と輝く作品である「黄色い部屋の謎(秘密)」です。

海外のミステリ作品、または「密室もの」を対象としたランキングにおいても、軒並み上位にランクインし、以後誕生する作家にも影響を与えたこの作品は、およ そ百年前に刊行されたこともあり、現代においては、古色蒼然とした印象は拭えないものの、一方で、読者を作品世界に引き込み、時間という概念 を忘れされる魅力・魔力を、今なお内包している作品のように、思えます。

「黄色い部屋」には、続編にあたる「黒衣婦人の香り」という作品があるのですが、現在、出版社さんの方で絶版である事情を踏まえ、今回の読書会では、「黄色い部屋」のみを取り上げることにしました。

ただし、エドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人事件」と、コナン・ドイルの「まだらの紐」の内容について言及されている箇所があるため、未読の方は、先に、このニ作に目を通すことを、強くお勧めします。

他の版でも問題はありません(多分、大丈夫のはず)。

みなさまの来仙を、心よりお待ちしております。

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■日程:2015年2月22日 15時30分~17時30分(途中退室可)

■会場:青葉区中央市民センター 第3会議室
(仙台市青葉区一番町2丁目1-4)

■参加費:一般 500円、学生 無料(会場費、諸経費等)

■持物:ガストン・ルルー「黄色い部屋の謎(秘密)」(特に出版社の指定はありません。)

※各自で必要に応じて飲み物をご持参ください。(会場内に飲み物の準備はございません)

■申し込み:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.comまでご連絡いただくか、Twitterにて@sendaimysteryまでリプライまたはDMを送ってください。

※携帯メールは受信できない場合があるようです。主催者側から返信の無い場合は、お手数ですがPCメールで再度ご連絡ください。

これまでの読書会でも、様々な年代・性別の方にご参加いただいております。ぜひ気軽にご参加ください。

また読書会終了後には懇親会を予定しておりますので、お時間のご都合がつく方は、こちらにもぜひご参加頂ければと思います。

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15th Report

第15回 せんだい探偵小説お茶会主催

(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)

エラリー・クイーン「レーン4部作」

読書会レポート

 

執筆者:仙台のクイーンファン

第一幕
 11月終盤,仙台の泉ヶ岳に初冠雪を迎え,日に日に肌寒さが身に染みる様相を呈してきた読書会当日。穏やかな天候に恵まれた中,せんだい探偵小説お茶会の面々は読書会の前に,昼食会で翻訳者の越前敏弥先生を,仙台の牛タン有名店にお迎しました。
 翻訳界のベェネティクト・カンバーバッチと称される越前先生が,予定の時間に颯爽と登場されると,席に着こうとしていた参加者達は息をのんでその場に立ち止まり,越前先生を凝視するだけでありました。越前先生にお薦めの定食を伝え,各々が注文をしたあとは,越前先生が他県の読書会で印象的だった食事の味や見た目,盛のインパクトについてお話しされました。場も和んできた頃,食事が揃い,参加者の一人が注文した「牛タンづくし定食」を目にした越前先生は,ボーリュームに驚嘆してスマートフォンで撮影。ブログに載せると仰っていました。牛タンの味を堪能した後,越前先生は行きたいラーメン屋があり,読書会と同じようにライフワークとして全県のラーメン屋も回っていて,今日も行きたいとお話しされたので,読書会後のスケジュールについて参加者達は頭を巡らせていました。
 今回の読書会では,越前先生の他14人が仙台,山形,福島,横浜から参加しました。なんと,せんだい探偵小説お茶会始まって以来の大人数となりました。
 最初に,越前先生の翻訳ミステリシンジケート全国大会についての報告とエラリー・クイーン翻訳秘話という豪華すぎる講演会が行われました。今後,他の講演会でもお話しされる内容とのことでしたので,詳しくお知らせすることはできません。少し触れるとすれば,翻訳によって,これまでのレーン四部作に登場する名探偵,ドルリー・レーンの様相が一変したこと。そして,エラリー・クイーンの某作品では真相の解釈が……等々でした。来年には講演会で各地を回られる予定です。詳細を知りたい方や興味のある方は是非,越前先生の講演会へ足を運んでみては如何でしょうか。

第二幕
 読書会,開会前には参加者たちが持ち寄った菓子が出され,その中にはレーン四部作に関係のある「リコリス」菓子が登場。お茶会まとめ役のM氏が作成したレジメには,これまでに出版されたレーン四部作の表紙で悲劇の文字が作られていて,レジメをめくった参加者をニヤリとさせていました。また,BIGボーナスとして,以下のような著名人によるアンケート回答の結果も載せられていました。

有栖川有栖氏の,一番好きなレーン4部作
 以前は「Yの悲劇」でしたが,今では「Xの悲劇」。

有栖川有栖氏夫人の,一番好きなレーン4部作
 「レーン最後の事件」

戸川安宣氏の,一番好きなレーン4部作
 「Xの悲劇」

飯城勇三氏の,一番好きなレーン4部作
 「Xの悲劇」本格ミステリとして,かなり高度なことを,誰にでも解るようにやっているから。

飯城勇三氏の,4部作を読んだ感想
「すごい!」の一言。各作品を単独で読んでもすごいが,通して読むと名探偵の誕生から終焉まで描いていることがわかるのもすごい。

飯城勇三氏の,シリーズを通して,好きなキャラクターと場面
レーン:「Xの悲劇」で変装するシーン。

飯城勇三氏の,4部作を通して好きな台詞
「Xの悲劇」の初登場時の「操る側になってみたい」(P24.13~15)

飯城勇三氏が考える,なぜ4部作なのか?
以前,「本当は3部作だったのを,出版社の要請を受け,エラリーものからプロットを転用して<Zの悲劇>を追加したという説を書いたことがあります。以前,麻耶雄高さんにも,この説に賛同してもらったことがあります。

飯城勇三氏の,作品についての疑問点,知りたい点
自分でいろいろ考えるのが好きなので,知りたい点はありません。でも,現在の新しい読者の感想が知りたいです。

ホストから「Yの悲劇P177をご覧下さい。云々間ぬん…」とリコリス登場シーンについて説明があると,興味深そうな声を漏らしている方もちらほらと上がりました。そして,自己紹介の際に,四部作の中で一番好きな作品も発表,熱く語ってくれました。これまでの読書会参加者の人数が最大でも10人という状況,一作品に対しての語り合いの時間を比較すると,全員が語り終えるまでにこれまでの3~4倍の時間が経過していました。一作品ではないだけに,それぞれの思いも違っていて,興味深く聞くことができました。事前アンケートでの順位は,
 1位 Yの悲劇 4.5票
 1位 Xの悲劇 4.5票
 3位 レーン最後の事件 3票
 4位 Zの悲劇 1票

という結果でしたが,読書会当日には,
 1位 Yの悲劇 5票
 1位 Xの悲劇 4票
 3位 Zの悲劇 3票
 3位 レーン最後の事件 3票

となりました。
 越前先生から「四部作の中から一つを選ぶことに,あまり意味はないと思える。この四作を一つの大河小説としてとらえて欲しい」とお話があり,それぞれが感嘆の声を漏らしていました。因みに越前先生が選ぶとしたら「Zの悲劇」だそうです。読書会開催紹介文でも触れていた「ミレニアム」シリーズの評価からレーン四部作がシリーズ一つとして評価されれば,揺るぎない不動のもの,本格探偵大河小説として燦然と輝く巨星となるのではないか,とホストも熱弁をふるってしまいました。
 参加者からは,それぞれの作品の中に「Yは真犯人がいるのではないか」「Yはクリスティの某作品と似ている」「犬神家の一族はYへのオマージュとして作られたのでは」「探偵がじつは腹黒いのではないか」「Xの犯人が魅力的」「悲劇ではあるが,最後は明るく思えた」等の意見や感想があり,会は熱気を保ったまま,時間が過ぎていきました。参加された方の中には「パズル(本格謎解き小説)が嫌いなのに読書会のために読んでみて,やっぱりパズルは嫌いだと思わされた。そして,Xはパズルのくせに小説を作ろうとしているように思われ,かえってイライラさせられた」という意見もありました。『読書会の面白さは,相反する意見があった時こそ面白く感じられ,深淵を覗く切っ掛けになることがある』と,ここで声を大にして言わせていただきます。反対の価値観や多面的な見方に接した時こそ,カタルシスが生まれ,知的興奮を味わわせてくれると思っています。まさに今回の読書会でもその瞬間が訪れたことに,ホストはミステリの深淵を垣間見る気がしたのでした。読書会に参加される時は,正直な気持ちを語ることが大事なのだと改めて確認しました。
 好きなキャラクターを発表する際には,ドルリー・レーンがダントツかと思われましたが,ペイシェンス・サムに好感が持てるという意見が多く聞こえてきました(けしてホストの「Zの悲劇」贔屓ではありません)。「はつらつとしていて良い」「自分の考えをしっかりと持って意見してくれそう。以前だったら嫌いなタイプだったが,自分が中間管理職になってからはペイシェンスのような部下だと嬉しく思えるようになった」など。レーンであれば「彼なしでは,この四部作は語れない」「探偵であり,事件を神のごとき操る真犯人,暗躍説として読むこともできる」との意見がありました。Yの悲劇のルイーザという意見や,Xの悲劇に出てきたピンカッソンという登場人物表に出てこないレアなキャラクターについても好感を持てたというお話がありました。
 好きな台詞では,参加者それぞれのセンスを感じさせる意見が出てきました。「アメリカの言葉を話しなさい」「ドルリア・レーン」「長年にわたって練りに練った複雑な犯罪計画を,大胆勝つ独創的な,ほとんど非の打ち所のない手際で果たす非凡な犯罪者」「行こう,警視。レーンさんはお疲れだ。そろそろニューヨークへ戻った方がいい」「お気持ちはよくわかりますよセドラーさん」「どうでしょう,お役に立ちましたか。お役に立ちたいのです。どうしてもお役に立ちたい。どうですかお役に立ちましたか」「操る側に立ってみたい」等。その中でもメールのみでアンケートに参加された方の意見,講談社文庫版,平井呈一訳の「Yの悲劇」でレーンが歌舞伎役者風に訳された台詞「やつがれ,いまだ芸未熟にして汗顔至極」が皆にどよめきを起こしていました。また,訳者の数がこれほど多いシリーズも珍しいことがわかりました。
 好きな場面では「サムが娘の扱いに困惑する場面」「Xのラスト一行」「最後の事件でペイシェンスが覆面男に拳銃でおそわれるシーン」「ペイシェンスが地方検事に推理を証明できると話しているシーン」「最後の事件でペイシェンスが異性に好意を抱くところ」「ほぼ全裸で日光浴するところ」「クマの毛皮に寝そべっているシーン」「Yの解決編」「Zの解決編」「X冒頭の読者への公開状」「最後の事件,犯人を明かす場面」等でした。やはり解決編の意見が多かったのはミステリとしての精度の高さからだと思われました。(「Xのラスト一行」という意見が「Xの解決編」とホストは解釈しました。)

第三幕
 なぜ四部作だったのか? という参加者への問いかけに対してホストは「クイーンが最初からその計画で作ったのではないか」とお話ししたところ,異論有り,とT氏から意見が出てきました。その意見とは「S・S・ヴァン・ダインが1928~1930年の間にレーン四部作で行おうとしていたことを自作の6作目までに行うと,20回は言っていたことが評伝に書かれていることから,ヴァン・ダインから影響を受けて意識していたクイーンは,そのことを,はじめはするつもりはなかったのではないか。だから,はじめからレーンは,そのことをするつもりで考えられた探偵ではなかったと思われる。そしてヴァン・ダインは自作の6作目,ケンネル殺人事件(1932)でそのことをしなかったから,レーンシリーズを四部作で,そのことをしたのではないか」というものでした。ホストは,ある程度資料を揃え,自分の考えに異論が出るとは考えていなかったので,驚愕と興奮で武者震いを感じるほど喜んでいました。そして,会場にも興奮と熱気が一気に押し寄せ,室温が上昇したように思えました。その意見を咀嚼し参加者の方々から,ちらほらと四部作の構成について意見が出始め,議論は熱を帯びはじめたところで,ホストから「クイーンがバーナビー・ロスを名乗ったのは,そのことをクイーンではできないけれど,ロスでならやってもいいのではないかと考えたからではないか。1929年にデビューした際に共作を隠し,覆面作家として活動しはじめたのも,ロスという,もう一人の作家を世に出して,ヴァン・ダインの発言したそのことを行う計画をしていたからではないか。そして,自ら編集するミステリ・リーグ誌に最後の事件を一挙掲載したのも,出版社の編集者が目を通すことによってヴァン・ダインに知らされ,出版の障害になることを怖れたからではないか」という意見をさせてもらいました。四部作の構成の始まりは,いつからだったという解答は得られませんでしたが,これだけ,いろいろな意見が出るというのもレーン四部作が深く考えることのできる作品であることの証左であると思いました。また,作者の創作過程の思考を考えていくことの楽しさも,読書会の醍醐味であると思わされました。
 他にも「クイーンの一人が,現代のシェイクスピアを目指していたと聞いて,レーンシリーズか四部作で終わったのは,シェイクピアの悲劇四部作を意識したからではないかと思います」や「今のシリーズ物は漫画や小説,映画にしても無理に長くなってしまうところがあるので,四部作で終了するのはよかったと考える」などの意見も出てきました。ここまでが制限時間となり,読書会は終了となりました。読書会だけで,なんと3時間半が過ぎていました。

第四幕
 作品に対する疑問,越前先生への質問は懇親会,二次会へと持ち越されることになり,いざ居酒屋へ。飲み物を注文してそれぞれに配られていくと,ホストは緊張がゆるんだこととビール好きが祟り,越前先生を目の前にして乾杯もせず一口。越前先生は此方をちらりと見た後は,微笑して知らぬ振りをしてくれました。ありがとうございます。そして本当に失礼しました。
 無事,乾杯を終えた後,参加者それぞれで情報交換や親交を深める話題に入ると思いきや,レーン四部作についての話しはつきない状況でした(もしかして,ホストだけだったのかもしれませんが,わたしの周りは,レーン四部作が話題の中心でした)。
 それぞれが越前先生への質問や昨今の出版業界についての話しをする中,会が進み,席の入れ替えをしていくと,T氏から「Xの悲劇」と「Zの悲劇」に対する問題点を提示されました。Xでは地の文の使い方(わたしも気になっていました),Zではアリバイの証明について,ここでは詳しくお知らせできませんが,なるほどと思わされました。ホストは次の日,二日酔いでふらふらになりながらも,こうすれば納得のいく形になったのかもしれない,と愛するZの悲劇について愚考して過ごしました。次の日になっても楽しませてくれるレーン四部作でした。
 二次会では,越前先生のライフワークであるラーメンや巡りに同行させていただき,思い思いにラーメンや麻婆焼きそばの味を楽しみました。
 そろそろ解散も近付いて来た頃,間が悪く失礼かと思いましたが,ホストは越前先生に「海外には起承転結の意識があるのか?」と訊ねてしまいました。そして越前先生はからは優しく「あります」との即答をいただきました。個人で調べて,海外よりも日本になじみのある考え方と思っていたので,クイーンがレーンシリーズを四部作にしたのは,日本にも興味があって,起承転結という言葉を知っていたからではないかと妄想していましたが,越前先生のお話で,海外にも起承転結の文化があり,クイーンが意識して作ったのかもしれないと思いました。しつこくもまた,「Zの悲劇の設定で,男女の師弟関係が出てきますが,前例や基となるようなお話はあるのでしょうか?」と立て続けに訊ねてしまいました。優しい越前先生は「それは,わからないです。調べてみましょう」とお答えいただきました。酔いの不埒とはいえ,本当に失礼しました。そして,本当にありがとうございました。

舞台裏
 越前先生をお見送りして,夜もだいぶ更けていましたが,有志でパブへと足を運び,レーン四部作,そしてミステリと今後の読書会について呑みながら話し続けました。いや~,楽しかったです。
 こんなに楽しい思いをさせてくれたのもレーン四部作のおかげです。
 本当にミステリって凄い!

舞台裏ふたたび
 せんだい探偵小説お茶会の世話人M氏に読書会報告文書を送り,お返事をいただいたところ,大事なことが抜けていると教えていただきました。それは,今年のせんだい探偵小説お茶会の作品選びで行われた「作品に関係する色」でした。
 読書会中にも話題に触れなかったので,報告文でもすっかり忘れてしまいました。レーン四部作の色が何であるかについて触れずに読書会が進んだのは,それだけ作品について深く話し合い,盛り上がっていたからだ,と肯定的に受け止めることもできますが,告知文で「読書会で解答」と明示しておきながら触れなかったことは,ホストとして忸怩たる思いです。すみませんでした。
 さて,気を取り直して,今年のテーマ,色でつなげる読書会の掉尾を飾ったレーン四部作の色とはいったい何色だったのか?
 それは,レーン最後の事件に小道具として登場した髭の色,虹色でした。
 色の種類ではないかも知れませんが,最後の色として相応しいと思い取り上げました。
 読書会に参加された方達は,勿論知っていたのだと思います。そして,暴走するホストに気を遣っていただいていたため,触れなかったのだと思います。
 このような気遣いをしていただける優しい方々との出会いも,読書会がなければご縁がなかったかもしれません。参加していただいた方々,本当にありがとうございました。

 色で始まった今年の読書会,最後は虹色で終えることとなりました。
 オズの魔法使いの「オーバー・ザ・レインボウ」を聴きながら,幕を閉じるというよりも,黒死館殺人事件の黒死館に登場する驚駭噴泉(ウォーターサプライズ)が作り出した虹を見て,更なるミステリの深淵に近付くことを夢見ながら,閉幕(カーテンフォール)を迎えたいと思います。

《閉幕》
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月替わりで、国内ミステリーと翻訳ミステリーを交互に課題本に掲げている当読書会。
次回は、白井智之『人間の顔は食べづらい』を1月25日に予定しています。

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16th event

第16回 せんだい探偵小説お茶会主催

白井智之『人間の顔は食べづらい』(角川文庫)読書会

せんだい探偵小説お茶会では、1月25日(日)に第16回読書会を開催します。今回の課題本は白井智之の「人間の顔は食べづらい」です。

今回は国内ミステリーが課題本となります。

参加条件などは全くございませんので、少しでも興味がございましたら、気軽にご参加いただけると嬉しいです。

人間の顔は食ベづらい

2015年の始まりはこの作品です。

第34回横溝正史ミステリ大賞 最終候補作にして史上最大の問題作!

せんだい探偵小説お茶会の3周年記念としてこの作品はまさにうってつけなのです。

何を隠そうせんだい探偵小説お茶会の発起人のデビュー作!

これを取り上げずに、何を取り上げるというのか。

というわけで、スペシャルゲストとして作者ご本人にお越しいただきます。

もうこれは参加するしかないでしょ!?

 

■日程:2015年1月25日 15時30分~17時30分(途中退室可)

■会場:仙台市情報・産業プラザ 特別会議室
(仙台市青葉区中央1丁目3番1号)

■参加費:一般 500円、学生 無料(会場費、諸経費等)

■持物:白井智之「人間の顔は食べづらい」(角川文庫)
※各自で必要に応じて飲み物をご持参ください。(会場内に飲み物の準備はございません)

■申し込み:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.comまでご連絡いただくか、Twitterにて@sendaimysteryまでリプライまたはDMを送ってください。

※携帯メールは受信できない場合があるようです。主催者側から返信の無い場合は、お手数ですがPCメールで再度ご連絡ください。

これまでの読書会でも、様々な年代・性別の方にご参加いただいております。ぜひ気軽にご参加ください。

また読書会終了後には懇親会を予定しておりますので、お時間のご都合がつく方は、こちらにもぜひご参加頂ければと思います。

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Debut

んだい探偵小説お茶会から

ミステリ作家デビューしました!!

この度、せんだい探偵小説お茶会の発起人であり、初代世話人の「白井智之」氏の

第34回横溝正史ミステリ大賞で最終選考まで残った作品が角川書店より書籍化されました。

人間の顔は食ベづらい2014年11月1日 角川書店より刊行

 詳細は以下のKADOKAWAからのプレスリリースをご参照ください。

http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001012.000007006.html

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15th event 2

 ★告知第2弾★

第15回 せんだい探偵小説お茶会主催

(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)

エラリー・クイーン『レーン4部作』(角川文庫)読書会

せんだい探偵小説お茶会では、11月23日(日)に第15回読書会を開催します。今回の課題本はエラリー・クイーンの『レーン4部作』です。

今回は初の試みとして、告知の第2弾を掲載しました。

今回の読書会はせんだい探偵小説お茶会にとって初物づくしの盛りだくさんな内容となっております。

まずはホストからの告知第2弾です。

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<ホストからのご案内>

二つの大きな台風が過ぎ去り、全国各地で紅葉が見えはじめ、秋らしい気候の中、このHPを覗いている方々は読書日和を迎えていることと思います。

さて、この度せんだい探偵小説お茶会で催される「レーン四部作」読書会の期日まで一ヶ月を切りました。

読書会に参加を希望した方、またはこれから参加を希望する方は、「レーン四部作」の深遠なる魅力に感銘を受けていることと思います。勿論、ホストである私は、その魅力に平伏すばかりであります。

今回の読書会では、「レーン四部作」の魅力をより深めたいと考えているので、読書会で参加者の発表項目を事前にお知らせします。

01..四部作を読んだ感想
02.四部作の中で一番好きな作品。(その理由)
03.シリーズを通して、好きなキャラクターと場面
04.四部作を通して好きな台詞
05.なぜ四部作なのか?
06.作品についての疑問点、知りたい点。

ホストが勝手を言って申し訳ありませんが、参加される方は、この六つの項目について、よろしければ回答を準備していただきたいと思います。
どうぞ、よろしくお願いします。

今年のせんだい探偵小説お茶会のテーマは「色」です。
では、レーン四部作に用いられている「色」とは。
それは・・・

この続きは読書会で明らかに。

皆様と一緒にミステリの深遠に触れられることを祈りつつ…。それでは、当日お会いできることを心待にしております。

ホスト:仙台のクイーンファン
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そして次の試み、特別ゲストです。

前回告知で謎のベールに包まれていた特別ゲスト、それは、今回の課題図書、角川版レーン4部作を翻訳された

「越前 敏弥」先生

です。

なお、読書会当日は、以下のような越前先生が目白押しのイベントを企画しております。

読書会開催前 越前先生牛タンを囲む」
読書会開催中 越前先生によるエラリー・クイーン翻訳秘話
読書会開催後 越前先生お酒クイーン

 こんな盛りだくさんの内容、参加するなら「今でしょ!」

というわけで残席数も残りわずかですが、お申し込みお待ちしております。

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15th event

第15回 せんだい探偵小説お茶会主催

(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)

エラリー・クイーン『レーン4部作』(角川文庫)読書会

せんだい探偵小説お茶会では、11月23日(日)に第14回読書会を開催します。今回の課題本はエラリー・クイーンの『レーン4部作』です。

レーン4部作

今回は翻訳ミステリーが課題本となります。

前回の開催から時間が空いてしまいましたが、この準備のために
時間が欲しかったのです。(言い訳)

満を持して2014年の総括として、年初より暖めていた企画、
「レーン4部作」読書会を開催します。

それでは、今回のホストからの紹介文を掲載させていただきます。

 

<ホストからの紹介文>

1985年に上梓された東西ミステリーベスト100に、シリーズ4部作でありながら200位以内に3作品がランクイン。
2013年1月にリニューアルされた同誌では、20位以内にシリーズ4部作の2作品がランクイン。
そして、シリーズ4部作の1作品は有名作家や評論家によるベスト10上位に、のきなみランクインする名作中の名作。

読者は、そのシリーズ4部作が何であるか、見当をつけたと思います。
そうです。エラリー・クイーン(バーナビー・ロス)の「レーン4部作(悲劇4部作)」であります。

これだけ有名な作品ですから、1作品は読んだことのある方々が多いと思われます。しかし、上位にランクインした名作を読んだだけでは、シリーズ4部作の真価に触れたとは言えません。4部作を通して読んでこそ、真価に触れ、ミステリの深遠を垣間見ることができるのです。

2013年1月に上梓された東西ミステリーベスト100で「ミレニアム(3部作)」が12位にランキングされたことが気になりました。
「レーン4部作(悲劇4部作)」が、もし「ミレニアム(3部作)」と同じように取り上げられていたらと……。

前口上が過ぎました。
11月の、せんだい探偵小説お茶会で取り上げる作品は、会が始まって以来の冊数(これまでは2冊。ページ数にして700ぐらい)とボリュームの本格探偵小説史上に燦然と輝く巨星、「レーン4部作」であります。

2014年からせんだい探偵小説お茶会では「色」をテーマに作品を選んできました。
「レーン4部作」で「色」、と問われ戸惑う方がいるかもしれません。ホストである私も「はて? 」と最初は思案しました。
その「色」とは?
この色が閃いた方、そして、その色を知りたいと思い「レーン4部作」を繙いた方。
ミステリの深遠に触れる良い機会です。
是非、せんだい探偵小説お茶会まで足を運んでみませんか。

ホスト:仙台のクイーンファン

 

■日程:2014年11月23日 14時00分~17時30分(途中退室可)

■会場:青葉区中央市民センター 和室
(青葉区一番町2丁目1-4)

■参加費:一般 500円、学生 無料(会場費、諸経費等)

■持物:エラリー・クイーン(訳:越前 敏弥)角川書店
『Xの悲劇』
『Yの悲劇』
『Zの悲劇』
『レーン最後の事件』
※上記の新訳版でのみ参加可能です。
※各自で必要に応じて飲み物をご持参ください。(会場内に飲み物の準備はございません)

■申し込み:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.comまでご連絡いただくか、Twitterにて@sendaimysteryまでリプライまたはDMを送ってください。

※携帯メールは受信できない場合があるようです。主催者側から返信の無い場合は、お手数ですがPCメールで再度ご連絡ください。

これまでの読書会でも、様々な年代・性別の方にご参加いただいております。ぜひ気軽にご参加ください。

なお、今回の読書会は長丁場ということもあり、様々な企画スペシャルゲストをお呼びしております。
詳細については徐々に告知していく予定です。

また読書会開始前には昼食会を、読書会終了後には懇親会を予定しておりますので、お時間のご都合がつく方は、こちらにもぜひご参加頂ければと思います。

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14th event

第14回 せんだい探偵小説お茶会主催

貴志祐介『青の炎』(角川文庫)読書会

せんだい探偵小説お茶会では、7月20日(日)に第14回読書会を開催します。今回の課題本は貴志祐介の「青の炎」です。

今回は国内ミステリーが課題本となります。

参加条件などは全くございませんので、少しでも興味がございましたら、気軽にご参加いただけると嬉しいです。

 

青の炎

 

<ホストからの紹介文>

色シリーズということで、今回は真っ向からタイトルに色が入っている作品です。
ちなみに貴志祐介の作品には「黒い家」「クリムゾンの迷宮」と他にも色の入った作品がありますが、今回は「青の炎」をチョイス。・・・まあ、他の作品はホラー作品ということもありますが。

この作品は、嵐の二宮和成主演で映画化されたこともあり、知っている方も多いのでは?

映画版しか見たことがない人もこの機会に原作を読んでみてください。
そして、読書会に来て頂いて感想など語らってみましょう!

 

■日程:2014年7月20日 15時30分~17時30分(途中退室可)

■会場:戦災復興記念館 4階第4会議室
(青葉区大町2丁目12番1号)

■参加費:一般 500円、学生 無料(会場費、諸経費等)

■持物:貴志祐介「青の炎」(角川文庫)
※各自で必要に応じて飲み物をご持参ください。(会場内に飲み物の準備はございません)

■申し込み:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.comまでご連絡いただくか、Twitterにて@sendaimysteryまでリプライまたはDMを送ってください。

※携帯メールは受信できない場合があるようです。主催者側から返信の無い場合は、お手数ですがPCメールで再度ご連絡ください。

※翌日(7月21日)開催の福島読書会『オリエント急行の殺人』とのコラボ企画として、両読書会に参加される方は、福島・仙台ともに参加費無料です。

これまでの読書会でも、様々な年代・性別の方にご参加いただいております。ぜひ気軽にご参加ください。

また読書会終了後には懇親会を予定しておりますので、お時間のご都合がつく方は、こちらにもぜひご参加頂ければと思います。

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13th Report

第13回 せんだい探偵小説お茶会主催

(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)

ジル・チャーチル『ゴミと罰』

読書会レポート

 

執筆者:マダム・リー

伝統の青葉まつりも終了し、隣県は六魂祭で賑わっていた5月末の日曜日、第13回せんだい探偵小説お茶会が開催されました。
参加者は8名、男女比は半々。初参加の方2名をお迎えできたのはとても嬉しいことでした。当初、せんだい史上最小催行人数での開催となりそうな気配濃厚だったのですが、無事通常運行となりました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。

まずは自己紹介と、コージーミステリなるものを読んだことありますか? そして今回の課題書『ゴミと罰』を読んでみていかがでしたか? というお話しから。

ミス・マープルのシリーズとか、ユーモア・ミステリ方面でクレイグ・ライス作品ならば(Wikipediaさんを参照すると、このあたりの作品もコージーと定義されるようなのでした) 読んだけれども、現代コージーには近づいたことない、という方がほとんど。女性好みの装丁でなぜかお菓子のレシピが載っているらしい=ミステリと関係ない部分が多そうに思える、あんまりミステリとしては期待出来なさそうな気配がする…等々、あえてそこに手を伸ばさない(他に読みたい本は沢山沢山ある!)というお気持ちは拝察出来るように思います。でもそれこそがコージーの魅力でもあるわけです。他ジャンル同様に、好みと相性、そして出会いのきっかけの問題なんですよね、なんてったって嗜好品なんですから。

課題書を読んでみての感想は、まず女性たちの会話が予想以上に歯に衣着せず辛辣!というものが多数。テンポよくて元気いっぱいの主婦たちの会話は、本作の大きな魅力であり特長でもあります。また、一品持ち寄りのホームパーティー兼各種会合、子どもたちの学校までの送迎、ハウスクリーニングの外注、ご近所に合鍵を預ける、といった我々日本の日常とはやっぱり異なるアメリカの日常生活がものめずらしかった、との感想も複数ありました。
そして「予想と違ってべたつかずあっさりした印象」「コージー(心地よい)というけれど心地よくない、むしろ心乱される。運転を危険行為として認識しない人というのは個人的に許せないし、隣家のハウスクリーニングに来た人に声をかける際のジェーンの高飛車な物言いが気になるし…」「中盤で明らかになる、ジェーンの夫にまつわる話が衝撃的すぎて、殺人事件はどうでもよくなった」「この自意識過剰なジェーンとは、私仲良くなれないと思った。そして170ページまでいっても事件は全く進展していない!」「この手のお話しだと、理解ある男性、というのが必ず登場するのがなんだか嫌…」「被害者の存在感が、ない」「刑事さんとはその後どうなるのかな?」等々、色とりどりの感想やご意見で話の花が咲いていきます。

さて、色といえば今年のせんだい探偵小説お茶会のテーマは“色”。にもかかわらず、今回の課題書のどこにどのような色が関係あるのかさっぱりわからんよ、というご指摘はそれこそどっさりありました。ごめんなさい。ジェーンが親友のレシピに基づき作成のうえ持ち寄るサラダがあるのです。このたかが人参サラダ一品に、ジェーンはとことん振り回されます。そうだあたしも作るんだった忘れてた、レシピも実は失くしてるけどまあなんとかなるかな、えええと材料は一体何を揃えればいいんだっけ、なにか特別なものが必要だったような気がするんだけど…。実は高いマネジメント能力が要求される主婦業には全くもって不向きであることが露呈されているこのエピソードに、激しく共感してしまったホストが、それでも元気にやっていけるさとばかりにキャロットオレンジってことで!とお願いしたのでした。そんなマネジメント能力皆無ホストに強力援軍が!なんと当日、某女性誌にキャロットサラダのレシピが載っているのを発見した参加者のお一人が、ご購入の上持参してくださったのです!しかも本当にオレンジを使ったレシピのもので、まさに運命的!本当に本当にありがとうございました。

予想以上にちゃんとミステリしていた、という感想も多かった本作。ご近所主婦グループの区別がつかない、料理を持ってきた順番はどうしても読み流してしまう、またなぜ人の出入りの多い時をわざわざ選ぶのか?そしてギプスの固定の状態考察(皆でついつい固定状態を模した右手を振り回す)なども。一人では読み飛ばしてしまっているところがくっきりと見えてきます。読んでいて残りのページがどんどん少なくなっていくのに、これ事件は本当に解決するの?と別の意味でハラハラした方も複数。ハウスクリーニングの方へのぞんざいな声がけの件や、みかんって日本のみかんと同じかな違うのかなという件、原書も用意してあればもっとよかったのになあと反省しきりです。
配偶者の浮気相手について、自分より若いならしかたないと納得出来るの?じゃあ年上なら?同年代なら?という話や、中年以上のロマンスって、翻訳物だとすぐ結婚となるよりもゆっくり仲を深めるような印象あるよねという話などで、たちまち時間が進んでいきます。

最後にホストがおすすめしたいコージーリストなどをちゃっかりご紹介。そして、以前同じ課題書での読書会を開催なさった名古屋読書会様からご提供いただいた、素敵なレジュメも配布させていただきました(世話人氏がきっちり準備してくださいました)。この場を借りて御礼申し上げます。
また、4月の翻訳ミステリー大賞授賞式&コンベンションに参加した世話人氏から、当日のレポや資料の紹介などをいただき、さらに盛り上がります。話は尽きないのですが時間は尽きたので、ひとまず読書会終了。次の一冊に繋がるきっかけがもし作れていたら望外の幸せです。今回お話しできたみなさま、別の機会にお話ししたみなさまとこれからお会い出来るみなさまのミステリ愛に乾杯。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

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月替わりで、国内ミステリーと翻訳ミステリーを交互に課題本に掲げている当読書会。
次回は、貴志祐介『青の炎』を7月20日に予定しています。
近々発表される告知にご期待ください。

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13th event

第13回 せんだい探偵小説お茶会主催

(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)


ジル・チャーチル『ゴミと罰』(創元推理文庫)読書会

せんだい探偵小説お茶会では、5月25日(日)に第13回読書会を開催します。今回の課題本はジル・チャーチル『ゴミと罰』です。

今回は翻訳ミステリーが課題本となります。

参加条件などは全くございませんので、少しでも興味がございましたら、気軽にご参加いただけると嬉しいです。

ゴミと罰

 

国内と翻訳を交互に開催しているのに、前回も今回も翻訳物!?
という声もあろうかと思いますが、前回は翻訳物と国内物のダブル開催だったので、OKなんです!

それでは、今回のホストからの紹介文を掲載させていただきます。

<ホストからの紹介文>
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おや?いつも本格な正統派なイギリスな雰囲気のせんだい探偵小説お茶会がなんだか雰囲気違うんじゃないの?と思われた方!さすがです!
ホスト制採用のせんだい探偵小説お茶会は、かように様々な視点から課題書を選ぶことができるのがよいところなのです!(←ごめんなさいそう言ってみたかっただけです。単に私の選択肢の中から選んだのでした)

知っているけどそれ読んだことないなあ、という課題書にしよう、とは思ったんです。
かつてコージーミステリがざくざく翻訳出版されていた頃、おそらく最初に手にしていまだに本当に面白いなあ好きだなあと思っているシリーズの、第一作目です。
いつも文芸作品を絶妙にパロディとして使ったタイトルが目を引く本シリーズ、書店や図書館などで見たことはある、という方も多いのではないでしょうか?『ゴミと罰』『毛糸よさらば』『死の拙文』『クラスの動物園』……最新翻訳作は2013年9月刊行の『八方破れの家』13作目です。未訳があと三作、楽しみです。

三人の子育てと主婦業に毎日大忙しのジェーンが、近所で起こった殺人事件に首をつっこんでいきます。生意気な口をきくようになった年頃の子どもたち、大親友シェリイをはじめとするご近所さんたち、市警の刑事さんたちとの会話、会話。この作品、テンポよい会話がとても魅力的。そしてアメリカの日常生活ってこういうんだ!といろいろ感心してしまうことしきり。子どもたちの登校送迎当番とか、一品持ちよりのご近所会合とか、やっぱり似て非なるものですね。

あれ、でもせんだい探偵小説お茶会って今年は“色”がテーマなんだよね?もしかしてゴミ色ってこと?……いえいえ、多少悩んだのは事実ですが、ゴミ色ではございません。ジェーンがお話の冒頭から悩まされつづけるとあるお料理の色、キャロットオレンジですよ!ビタミンカラーに象徴される、元気な会話に溢れた本作を、是非ご一緒にご賞味ください!

ホスト:マダム・リー
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■日程:2014年5月25日 15時30分~17時30分(途中退室可)

■会場:戦災復興記念館 5階第3和室
(青葉区大町2丁目12番1号)

■参加費:一般 500円、学生 無料(会場費、諸経費等)

■持物:ジル・チャーチル『ゴミと罰』(創元推理文庫)
※各自で必要に応じて飲み物をご持参ください。(会場内に飲み物の準備はございません)

■申し込み:氏名・連絡先を明記のうえ、sendai.mystery@gmail.comまでご連絡いただくか、Twitterにて@sendaimysteryまでリプライまたはDMを送ってください。

※携帯メールは受信できない場合があるようです。主催者側から返信の無い場合は、お手数ですがPCメールで再度ご連絡ください。

これまでの読書会でも、様々な年代・性別の方にご参加いただいております。ぜひ気軽にご参加ください。

また読書会終了後には懇親会を予定しておりますので、お時間のご都合がつく方は、こちらにもぜひご参加頂ければと思います。

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12th Report

第12回 せんだい探偵小説お茶会主催

(翻訳ミステリー大賞シンジケート後援)

イーデン・フィルポッツ『赤毛のレドメイン家』&江戸川乱歩『緑衣の鬼』

読書会レポート

 

執筆者:蒔野正徳

3月23日に第12回となるせんだい探偵小説お茶会を開催しました。

今回の課題本は、イーデン・フィルポッツ『赤毛のレドメイン家』と江戸川乱歩『緑衣の鬼』のダブル課題本です。
今年のせんだい探偵小説お茶会のテーマは「色」ということで、『赤毛のレドメイン家』の「赤」と『緑衣の鬼』の「緑」は将来を見据えた乱歩先生が『緑衣の鬼』というタイトルをつけてくれたのでは?と錯覚してしまうぐらいピッタリ。
・・・『緑衣の鬼』は『赤毛のレドメイン家』に感銘を受けた江戸川乱歩が『赤毛のレドメイン家』を翻案して書かれた作品なんです。

今回の読書会は過去最多タイとなる10名での開催となり仙台はもとより、福島、山形からも参加頂きました。

さて、皆さんの自己紹介も終わったところで、まずは『赤毛のレドメイン家』の感想へ。
「マーク・ブレンドンがとにかく嫌い。途中で死んでくれないかと思った」
という過激な意見がいきなり飛び出て、参加者を唖然とさせた。
しかし、マーク・ブレンドンが嫌い、という意見は他の参加者からも寄せられたが、男性と女性とで意見が異なるようで、女性陣はマーク・ブレンドンを嫌い、男性陣は逆に「共感できる」というように擁護にまわるという一幕も。
他にも
・役立たず
・ピーター・ガンズの邪魔をしている
・優秀な探偵と紹介されているのに、ダメダメ
という意見が寄せられ、聞いているうちにマーク・ブレンドンに同情したくなってきました。。。

他の登場人物への感想も寄せられましたが、ネタバレが含まれてしまうため、自粛。

一通り感想が終わったところで、ホストからイーデン・フィルポッツの作品リストの紹介(出典:本棚の中の骸骨)、ボルヘスによる最良と思う百の作品の中にも『赤毛のレドメイン家』が含まれているということが紹介されました。(ミステリー作品としては、コリンズの『月長石』、チェスタトンの『青い十字架』、ポーの『短編小説集』等が選出)
その後、『テンプラー家の惨劇』巻末の「フィルポッツ問答」や江戸川乱歩の『鬼の言葉』収録の「赤毛のレドメイン一家」が紹介(後者はほぼ全編を朗読)されました。

そして、ダートムア小説と称される田園小説で人気を博した作者ということで、濃厚な色彩表現、細かな情景描写が印象的であり、「赤プラスアルファ」として色シリーズに相応しい作品ではないかとまとめられました。

作品全体としては概ね好評で、「むかし読んで犯人は知っていたが再読しても面白かった」、「むかし読んだのに犯人は忘れていて改めて驚いた」、「初めて読んだが古い作品にしては読みやすい」、「犯人像が強烈で魅力的」、「情景描写がイメージ鮮やか」といった声が聞かれました。

一通り『赤毛のレドメイン家』の議論が落ち着いたところで、次なる課題本『緑衣の鬼』の感想へ。
影や消失トリックを盛り込んだりということで、やりすぎという声がちらほら。
「情景描写や恋愛を乱歩が書けなかったので、そういった要素を替わりに詰め込んだのでは?」
「月刊誌の連載だったため、毎月何らかの山場を作る必要があったからでは?」
と、様々な意見(憶測)が交わされました。
また、「なぜ、緑にこだわったのか?」という意見も出ましたが、乱歩が妻に「緑館」という下宿を営ませていたということもあり、緑という色にこだわりがあったのではないか、といった憶測も。

貸金庫のトリックや様々な矛盾はあれど、結局は「乱歩だから」の一言で全ての矛盾が片付けられることに。
そして、最終的には一人の参加者から「探偵はのりすぎ、犯人はやりすぎ」という名言が生まれ、閉会となりました。

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月替わりで、国内ミステリーと翻訳ミステリーを交互に課題本に掲げている当読書会。
次回は、杉江松恋氏が海外ミステリーマストリード100でも紹介されているジル・チャーチル『ゴミと罰』を5月に予定しています。
近々発表される告知にご期待ください。

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